熱中症の初期症状発見をサポート 作業者見守りシステム「DecoBull(デコブル)」 シマブンコーポレーション
鉄に関わる事業を展開するシマブンコーポレーション(神戸市、木谷謙介社長)は、作業者見守りシステム「DecoBull(デコブル)」で熱中症対策を訴求する。
労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則の改正により、6月1日から職場での熱中症対策が義務化された。これにより、事業者には、熱中症を防止するための体制整備、発生時の対応手順作成、関係者への周知などが求められる。
作業現場には、「熱中症が減らない」「シニア世代の健康状態が気になる」「一人作業者の安否が心配」「夜間作業者の状況が把握できない」などさまざまな課題やリスクが存在する。
DecoBullは、作業者の異常状態を検知し本人はもとより管理監督者や仲間へ即時に通知を行い「気づき」を与えることで、安全・安心な職場構築をサポートする。
具体的には、気温や湿度、推定WBGT(暑さ指数)を感知する「環境センサ」、墜落や転倒を感知する「加速度センサ」、ヘルプコール機能を備えた「ヘルプボタン」が搭載された「統合モジュール」を手持ちの軽作業帽やヘルメットに装着。さらに額や手首などに脈拍や肌温度を感知する「バイタルセンサ」装着することで、体調変化や墜落・転倒を検知することが可能となる。
また、ヘルプコール機能により作業者自らで通知。作業者の異常状態を検知すると管理監督者にウェブ画面とメールで通知し、グループ化された仲間に振動で通知する。
同システムは、大手電子部品メーカー・アルプスアルパインと協業開発し、2020年にサービスを開始。24年5月には機能を強化し、統合モジュールの軽量化(120㌘から40㌘に)やバイタルセンサの額への接触面積の低減(1/6)による装着時の違和感の軽減、センサの無線化、LTE通信の導入による日本全国での見守り実現、GPSによる正確な位置検出などが可能となった。
取得したデータ(バイタル情報と環境情報)はダウンロードして分析することも可能だ。また、少人数からの導入も可能で利用期間の設定ができるため、都合のよい期間での利用選択を実現する。
導入先からは、「転落や転倒時の通知で夜間作業や一人作業時でも安心して働けるようになった」「適切なタイミングで休憩が取れるようになった」などの声のほか、同システムを導入した 工場(150名規模)では、5年連続熱中症0件を達成している(同社調べ)。
同社では、「1件の事故の背後には29件の軽微な事故があるという、労働災害の分野で知られている『ハインリッヒの法則』の背後には、さらに300件の“ヒヤリハット”が隠れている。しかしその“ヒヤリハット”のさらに下には、「不安全な行動」や「不安全な状態」があると考えている」とし、今後も「『DecoBull』の訴求で、作業者の小さな「不安全な行動」の抑制と「不安全な状態」の改善に貢献したい」としている。