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アナログ規制見直しによるデジタル技術活用―産廃処理施設への立入検査をオンライン化 デジタル庁、環境省

デジタル庁戦略・組織G デジタル改革企画(法制・制度)
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制担当参事官室

(1)アナログ規制とは

アナログ規制とは、法律や条例をはじめとするわが国の規制やルールの中にある、「人」や「書面」の介在を前提とし、デジタル技術が浸透していない時代に作られ、その後見直されずに今日に至り、現在となっては不合理・非効率的な規制のことをいう。

アナログ規制見直しによるデジタル技術活用―産廃処理施設への立入検査をオンライン化 デジタル庁戦略・組織G デジタル改革企画(法制・制度) 環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制担当参事官室_ウェアラブルカメラを用いた検査の様子(埼玉県提供)
ウェアラブルカメラを用いた検査の様子(埼玉県提供)

社会のデジタル化を阻害する一因として、政府では、デジタル庁のリーダーシップの下、こうした規制の見直しに強力に取り組んできており、現時点で必要な見直しがほぼ完了している。その結果、さまざまな分野・業務において、デジタル技術の活用が新たに進み始めている。

(2)埼玉県における産業廃棄物処理施設に係る検査のオンライン化

埼玉県における産業廃棄物処理施設の検査のデジタル化事例を紹介したい。2023年3月、環境省は「デジタル原則を踏まえた廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の適用に係る解釈の明確化等について(通知)」を発出し、立入検査の実施にあたり、効果的かつ適切である場合には、積極的なデジタル技術の活用を推奨した。この通知を受け、埼玉県では、運用の見直しを図った。

埼玉県の産廃処理施設への立入検査業務の事例では、従来は現場によっては多数の職員が現地において立入検査を実施していたが、今回のアナログ規制の見直しにより、必要最小限の担当職員が現地に赴きウェアラブルカメラで撮影を行い、そのほかの職員は事務所等でweb会議システムを通じて確認するという手法を一部の検査に導入した(写真)。

必要書類も電子化し、タブレットPC上で検査記録を記入、確認している。2024年度に実施したタブレットPCを使用した立入検査9件(うち産業廃棄物処理施設に対する検査2件)において、報告書作成時間を計約270分縮減できたほか、事故時等において、即時に関係者と情報を共有し、迅速に対応することも可能となった。さらに、先輩職員の検査を遠隔で体験でき、若手職員のOJTにも寄与したという。

(3)地域のデジタル化の必要性

特に地方において人口減少が著しい中、デジタル化は必要不可欠の課題である。上記の例に限らず、廃棄物処理施設関係の事務に関連しては、さまざまな規制が見直され、それも踏まえたデジタル化が進められている。

各地方公共団体におかれては、行政サービスをはじめ地域機能を維持・強化していくためにも、制度の見直しを踏まえた技術実装に積極的に取り組まれたい。

【問い合わせ】

デジタル庁地方アナログ規制見直し促進班

メール:rincho-local@digital.go.jp