日本の海洋プラごみの3.0%は漁業由来、海洋流出率は1.8% 2022年度調査結果 海と渚環境美化・油濁対策機構
海と渚の環境美化活動や環境保全などの啓発普及に取り組む、海と渚環境美化・油濁対策機構はこのほど、2022年度の全国の各種漁業を営む企業・漁業者個人に対するアンケート調査の結果(回答数299)と、製網業界に対して行った漁業種類毎の漁網生産量、漁業種類別プラスチック系漁具の重量構成比調査などを用いた、漁業種類別の使用量とプラ系漁具の年間海洋流出量などを公表した。
それによると、各種調査資料をもとにした日本の海洋プラごみ総量の推計は、最大で年間6.5万㌧(世界全体115万㌧)で、そのうち日本の漁業起源のプラごみ総量は1958㌧。また、プラ系漁具が海洋プラごみに占める割合は世界平均で9.4%、日本周辺国で21.0%、日本起源で3.0%となった。
なお、国内のプラ系漁具の年間使用量は10万8379㌧で、流出量は1958㌧で、流出率は1.8%だった。
その他、国内のプラスチック系漁具種別使用量は、漁網2万7761㌧、浮子1万361㌧、ロープ・テグス6万1153㌧、その他(かご・筒、カキパイプ、いか釣り針)9104㌧。
同系漁具種類別年間海洋流出量は、漁網348㌧、浮子131㌧、ロープ・テグス1118㌧、その他(かご・筒、カキパイプ、いか釣り針)361㌧。
同系漁具漁業種類別年間海洋流出量は、網漁業616t(刺し網223㌧、定置網186㌧、曳網134㌧)、その他漁業251㌧(かご・筒152㌧、いか釣り99トン)、網養殖66トン(海苔35㌧、魚類31㌧)、その他養殖(カキ・ホタテ)が、1025㌧だった。
また、海面漁業養殖業生産量1トン当りのプラ系漁具海洋流出量は世界平均7.7㌔、日本0.5㌔で、日本は世界平均の1/15となった。
今回の公表に際し同機構では、「プラ系漁具の海洋流出量を漁業種類別に全国規模で推計した調査はこれまで例がなく、今後の海洋プラスチックごみ対策に有効に役立てていただければ幸いだ」としている。