東風西風とうふうせいふう

近所に入口に廃家電が積み上げられている間口一間ほどのリサイクルショップがあった。明らかに陳列ではなく積み重ねているだけで、日に日に嵩は増え、いつしか店内まで乱雑な積み重ねが及んでごみ屋敷化していった▼ごみ屋敷を片付けるバイトをしている芸人、柴田贒佑さんによると、ごみ屋敷の住人は認知症や精神疾患の症状が出ている人が多いという。認知症の人は例えば食事を作ろうと食材を買ってきても忘れてしまい食材が腐敗してしていくという。精神疾患の人は片付けたくても片付けられない人のようで、伴侶や親を失ったりして精神的にダメージを受けている人が多く、亡くなった人の思い出の品を捨てられず、そのうちに何もできなくなるという▼認知症にしても精神疾患にしても、自ら断捨離を行える状況にはなく、やはり第三者が介在して片付けていかなければならない。ごみに埋もれた中に、まだまだ使えるものも多く、そこまで症状が出ていない人にはメルカリやジモティといったリユース品を譲渡するサービスを気軽に利用できるようにすることも必要かもしれない▼リサイクルショップの店主はどの部類に入るか分からないが、身内が片付けたか、行政が対応したのだろう。店はその後更地になった。(平)