東風西風(2026年2月11日)
英語のクマ(bear)にはたくさん意味があるらしい。同綴語ということ。歴史の中で言葉がうち分かれ重なり合うなかで、例えば「A bear bears to bear three bears」(クマは3匹のクマを苦労して育てる)という、クマの大行進みたいな冗談も表現できるようになった。ただだから、多義的だからあいまいさを含む。文脈での位置や働き、解釈できる含意が絞られなければ意味は決まらない。クマはそれだけでは、クマかどうかも分からない▼歴史的な大勝。対立する野党の名だたる巨艦をほぼ「早苗ちゃん」の個人プレーだけで軒並み沈めた。近ごろ凶暴な冬眠中のクマもそろそろ穴ぐらでニュースを聞いて、冬毛を脱毛してひれ伏しているころか。冬に吹き荒れた「旋風」。クマ社会もヒト社会も、日本はやはり女性が強いか▼緒戦を制しひとまず衆院で力を得た高市政権。強権行使も危ぶまれる大勝の先で憲法改正も見据える。自由主義経済に代わる新たな国際秩序なるものが呱呱の産声を上げるなか、どのような国の姿を描き出す。環境問題は各国の開かれた対話と主体性が不可欠。そして言葉と正義、あらゆる秩序は、いずれ変わるべきものだからと言って、軽々に変えてよいものではない。戦後80年が過ぎた。なおあいまいな日本で。(潤)