東風西風(2026年4月29日)
2012年のFIT制度開始以降急速に導入が進んだ太陽光発電を巡っては、2030年代後半には年間最大50万トン規模の使用済み太陽光パネルの排出が見込まれ、最終処分場の逼迫が懸念される。その対策として「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が4月3日に閣議議決定された。導入から廃棄までを見据えた制度が、ようやく動き出した▼同法案は、多量排出事業者に対しリサイクル実施に向けた取り組みや事前計画の提出を求めるとともに、国がリサイクル事業計画を認定し、許可手続きの特例を設けるなど処理体制の整備を図る点に特徴がある。基本方針の策定により、目標や役割分担を明確化する枠組みも盛り込まれた▼一方で、リサイクル費用が埋め立てより高い現状や、全国的な処理体制の未整備といった構造的課題は依然として重い。制度が形式的運用にとどまれば、不適正処理や放置のリスクは解消されない。費用低減に向けた技術開発とともに、事業者の実効的な行動を促す仕組みが不可欠だ▼再生可能エネルギーの拡大は不可逆の流れである。その持続可能性は「廃棄まで責任を持つ」制度の実効性にかかる。今回の法案を契機に、真に循環型のエネルギー社会へ踏み出せるかが問われている。(心)