PFAS対策技術コンソーシアムの役割と国際動向 国内製造業再興へ「『地政学』熟知し国際議論の舵を取れ」 山下信義

PFAS対策技術コンソーシアム 代表 山下信義

有機フッ素化合物(PFAS)地政学については「国内PFAS対策技術の問題点―半導体産業を例として(インダスト、2025年5月号)」、「PFAS地政学と対策技術の問題点(クリーンテクノロジー、25年6月号)」に概説済みである。簡潔に言うと、PFOS/PFOSFがストックホルム条約に追加された09年以降、「PFAS生産」は欧米から中国に移行したが、「PFASを含む材料・部品・製品」は国際規制を逃れ、現在でも世界中を流通している。これに光を当てたのがECHA規制案、いわゆる「ラベリング規制」であり、国際流通の支障となることで初めてPFAS問題が国内産業界でも議論されることになった。従って、PFAS問題解決には国際動向の理解が必須であるが、海外PFAS問題について日本国民向けに報道されることはほとんどない。イタリア・ミテニ社裁判における日本企業の実刑判決から分かるように、海外商社システムを用いて世界中から利益を吸収してきた日本は決してPFAS汚染の被害者ではない。PFASを含む電子機器、電気自動車(EV)、半導体、自動車、フッ素樹脂製品を世界中に販売・流通してきた日本の国際貿易はここに来て「PFAS汚染加害者」として世界中に認識されつつある。

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