ネイチャーポジティブと地域生物多様性増進法 環境省自然環境局自然環境計画課長 西村 学 〝自然共生サイト〟認定制度を法制化
「場所」に加え維持や回復・創出「活動」も対象
1.生物多様性とは何か
生物多様性とは、全ての生き物の間にある違いのことです。その「違い」があることで、さまざまな自然の恵みが生み出され、我々の暮らしはより豊かなものとなります。また、「違い」があることで、さまざまな機能・強み・つながりが生まれます。これにより「変化」が生じた際にも、自然の恵みを生み出す生態系が維持されてきました。しかしながら、人間活動により世界的に生物多様性と自然の恵み(生態系サービス)は悪化を続けています。生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)が2019年に公表した「生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書」によれば、地球上のほとんどの場所で自然が大きく改変され、過去50年の間、人類史上かつてない速度で地球全体の自然が変化していること、このままでは生物多様性の損失を止めることができず、持続可能な社会は実現できないことが指摘されています。

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