2026年 我が社の環境ビジネス戦略 アンカーネット 代表取締役 碇隆司 氏 都市鉱山のリサイクルで循環経済に貢献

アンカーネットワークサービス 代表取締役CEO 碇隆司 氏

「もったいない」の精神忘れず、新体制で経営基盤を強化

――昨年を振り返って。

世代交代を目的に10月1日付で役員変更を実施し、取締役社長執行役員として新たに近藤清之が就任した。経営体制の強化と企業価値のさらなる向上を目指し、新体制でスタートを切ったところだ。

――事業面での取り組みや成果は。

新たな取り組みとして、パナソニックと三菱マテリアルが取り組んでいるプロダクト・マテリアル・プロダクト(PMP)への参画が挙げられる。

PMPは、パナソニックが廃家電などの廃プリント基板から回収した金・銀・銅などを三菱マテリアルが精錬し、それを再びパナソニックグループを主体に活用する、都市鉱山からの資源活用と持続可能な社会への貢献を目指す業界初のスキーム。

そこに当社グループ会社で20年に富士通化成リサイクルの全株式を取得して設立した産業廃棄物のリサイクルを行う、アンカーリサイクルポートがパナソニックからの提案を受け、廃プリント基板を提供する契約に合意した。

――ライフサイクルマネジメント(LCM)事業の実績は。

当社のLCMサービスは、IT端末の導入から運用・廃棄までのワンストップサポート、各メーカーのパソコン(PC)、スマートフォン、タブレットなどに対応するマルチデバイス・マルチベンダー対応、消耗品の購入代行や手順書作成など個別の要望への柔軟な対応、リスクを伴うPC廃棄時のデータ完全消去ノウハウや第三者のチェックを受けた高度なセキュア廃棄サービスの提供、細分化したリサイクルによる高額買い取り、販売代行、MS認定再生PC、リユースPCレンタルなどによるIT環境とコストパフォーマンスの提供となっている。

現在の導入実績はフルサービスで3件、部分的なサービス提供が10件で、次年度からは財閥系グループとの提携で包括導入を予定している。

――中古PCリサイクル事業については。

昨年10月のWindows10のサポート終了に伴う中古PCリサイクル業務の拡大などを見据え、PCや周辺機器の引き取り、データ消去・廃棄、中古PCの販売、部品の再利用などを行う新事業所を、沖縄と埼玉県の新狭山に開設した。今年は北海道安平町と福島県伊達市に新事業の開設を予定しており、北海道から沖縄まで全国エリアでのサービス体制を構築していく。

また26年末には、神奈川県の相模原にリサイクルセンターの開設を予定している。

――中古PCの販売実績は。

文科省が推進する、児童・生徒向けに1人1台の端末配布と通信環境を整えるGIGAスクール構想に向けた事業も堅調で、毎月5~7千台を受け入れている。

個人向けの販売実績も伸張しており、毎月の出荷台数が2~3千台となっており、ヤフオクの売上ランキングで3位(25年12月時点)となり、グループ全体の中古PC販売売上の約20%となっている。

また、法人向けにも毎月4~5千台を出荷しており、この分野での引き合いが多いため、さらなる伸張を見込んでいる。

――海外での取り組みは。

昨年の10月にベトナムのハノイに事業所を開設し、産業廃棄物のリサイクル事業に本格的に取り組んでいる。

また、インドとフィリピンでも現地のパートナー会社と提携しており、今後も事業の拡大を図っていく。

――社内体制の強化については。

当社グループ全体の従業員数は、現在300人超となっている。

昨年より、IT(情報関連機器)、Asset(資産)、Disposition(廃棄・処分・除却)に関わる業界の発展促進を目指す「日本ITAD協会」が認定するITAD認定事業者資格の取得の奨励と受験料のサポート、社員教育機会の提供などに取り組んでいる。昨年は新たに30人が資格を取得し、累計で60人超の認定を得ている。

また、ITに関する基礎知識を証明する経済産業省認定の国家試験「ITパスポート」の取得も奨励し、現在約50人がeラーニングに取り組み 、資格取得を目指している。

その他、デジタル人材の育成とサポートを目的に、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)についても専門サイトと提携し、PCのデータ入力、システム間の情報転記、ソフトウエアロボットでのファイル操作の自動化技術や仕組みについて、希望する約30人の社員が勉強会に参加してスキルアップを図ってきた。

――障がい者就労については。

93年の創業時より「万人万物共存共生」を理念に、障がい者雇用に取り組んでいる。

25年春に一般社団法人となり、障がい者への支援と使用済みPCや小型家電などから金・銀・銅などを回収・再資源化・国内循環を行う、日本基板ネットワーク(新潟市)と提携し、障がい者就労を促進している。今後も、同ネットワークの顧問の立場で、連携を図っていく。

――最後に今年の抱負を。

資源循環の実現に向けては、電子機器の素材メーカー、製造メーカー、販売会社、リサイクル業界などサプライチェーン全体のプレーヤーの連携強化が何より大切だ。

創業時からの企業理念である「もったいない」の精神を忘れずに、当社のリサイクル事業と社員全体への浸透を図っていく。

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