2026年 我が社の環境ビジネス戦略 大栄環境 代表取締役社長 金子文雄 氏 将来の持続成長に向けグループ基盤の強化を推進
官民連携等が本格化、市場シェア2%目指す
――2025年を振り返って。
コロナ禍ではやや成長が鈍ったこともあったが、株式上場以降基本的に右肩上がりで推移してきており、25年度は前年比約10%の成長を果たすことができた。利益面でも非常に良好な結果となっている。好調の要因としては、一つはこれまではなかなか認めらなかった価格転嫁が世の中や企業の意識が変わってきて認められるようになったということがある。廃棄物処理コストについても、資源循環や適正処理を進めなければならないという意識が高まってきたということが大きい。
――部門別の状況は。
さまざまな環境関連事業に取り組んでいるが、埋め立て処分場や焼却発電施設は付加価値の高い事業であり、こうした大型投資が必要で競合が少ない事業については、比較的安定的に売上・利益を伸ばせている。一方、リサイクル分野については、さまざまな企業が新規参入して来ており、まだ先行投資の割合が高い。最初から利益確保は難しいが、体力のある企業が最終的に残り、適正な利益率に移行していくととらえているので、先行投資として積極的に取り組んでいるところだ。
――M&A等グループ体制強化の状況は。
25年は5件のM&Aと新会社設立1社を実施し、規模が拡大した。11月末には国内最大級の最終処分場を運営するスカラベサクレ(北九州市)を子会社化した。当社のこれまでのM&A案件と比べても大型案件となったが、優良な取引先を持ち前年度の利益も好調で、当社グループに加わることでシナジーが出てさらなる持続成長につながると判断し、M&Aを実施した。最終処分場の現在の許可容量が約880万立方メートルと、当社グループの残余量とほぼ同等となっている。
――施設能力強化の進捗については。
焼却施設については、現在日量2400トンの能力を2031年3月期には4千トンにする計画で進めている。すでに兵庫県西宮市と大阪府和泉市で220トンの設置許可を取得済みで、西宮市については新年早々に建設に入る計画だ。最終処分場は25年3月期の残余量は874万立方メートルだったが、スカラベサクレが加わることで倍の残余量となった。もともと既存施設の増設や新設により、31年3月期で1500万立方メートルとする計画ですでに許可申請も進めているが、それにスカラベサクレの残余容量が加わる。
――国はサーキュラーエコノミー(CE)を国家戦略としているが。
われわれも、CEやカーボンニュートラルに向けた取り組みには当然貢献していきたいと考えている。特にプラスチックの資源循環が求められているので、当社もさまざまな団体等に参加し、チームを作ってどのようなことができるかを検討しているところだ。プラスチック資源循環促進法の認定に基づく自治体等のプラスチックの受け皿としては、すでに大型のリサイクル施設を整備し、資源循環に向けた取り組みを進めている。
――自治体との連携強化については。
災害時の支援協定が現在204自治体(25年11月末時点)まで拡大しており、今年度中には220程度になる見込みだ。自治体との取引件数も25年3月末で487となり、右肩上がりで伸びている。また、自治体の家庭ごみだけでなく、地域の産業廃棄物も一体的に処理し、他の自治体の廃棄物も処理することでスケールメリットを出すという官民連携の取り組みも進めているが、今年度中に許可が得られる案件もあるのではないかと期待している。水面下では複数の自治体と話を進めており、一つの事例ができれば一気に進む可能性がある。28年3月期までに協定締結7件、31年3月期までには12件にすることを目指している。
――要興業(東京都豊島区)の関連会社化もあったが。
要興業は都内に7カ所のリサイクル施設を保有し、一般廃棄物等のリサイクルに取り組んでいる。一般廃棄物分野では都内トップクラスの企業で、当社グループとの相乗効果も大きいと判断し、持分法適用会社とし、包括業務提携を結んだ。
――26年の展望は。
25年度から3年間の中期経営計画では、将来の持続成長のための思い切った投資を進めていく方針を打ち出している。この2年目となる26年は、設備投資を確実に実行していく年になる。また、昨年は大きな投資を行い要興業、スカラベサクレをグループ化したがこのシナジー効果を着実に発揮することで、グループ体制の強化を図っていく。市場シェアは現在1%弱だが、31年3月期には2%とすることを掲げており、この目標の実現に向け、基盤強化に取り組む年としたい。