焼却灰の消毒効果を共同検討 家畜伝染病の予防資材に

奥村組と神鋼商事、室蘭工業大学の3者は16日、木質バイオマス発電所から発生する木質系バイオマス燃焼灰の有効活用に向けた共同研究を開始した。室蘭工大の山中真也教授が明らかにした消石灰の消毒効果に関する知見を生かし、その代替品として注目される焼却灰について奥村組が出資する石狩バイオマス発電所で出た灰の消毒効果を調べる。効果が発現するまでの時間や持続性などを評価し、家畜伝染性疾病の予防用資材として使えるか検討する。

焼却灰の消毒効果を共同検討 家畜伝染病の予防資材に_

神鋼商事はバイオマス発電所で使用する木質バイオマス燃料の供給を担当する。燃焼灰の消毒材としての商品化と販売も協力する。

バイオマス燃焼灰は一部が産業廃棄物として処分されているが、元々植物由来であることから環境に優しい素材として有効活用に期待を掛ける。特に強アルカリ性で高い消毒効果を持つ消石灰が鳥インフルエンザや豚熱などの伝染性疾病への対策に使用されており、燃焼灰も水に濡れると消石灰と同様に強アルカリ性を示すことから代替材として有効活用できないか研究する。