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自民提言 再生資源サプライチェーン強靱化 日本をハブ、国際資源循環NW構築も

自民党の「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」と題した政策提言は、①重要鉱物、金属資源などの再生資源供給サプライチェーン(供給網)の強靱化②日本をハブとする国際資源循環ネットワーク(NW)の構築③資源循環に係る主体間連携・情報開示の推進、社会的気運の醸成――の3本柱で構成されるが、概要は次のとおりだ。

ヤード規制を導入

「重要鉱物、金属資源などの再生資源サプライチェーンの強靱化」の提言は、①メタルリサイクル戦略(マクロアプローチとミクロアプローチ)②再資源化拠点構築・ネットワーク形成③動静脈連携の促進による産業競争力強化④循環資源の海外流出の抑制⑤再生材の需要拡大――の各政策を打ち出した。

①の「メタルリサイクル戦略」のうちマクロアプローチでは鉄、アルミ、銅、永久磁石について2030年までの再生材供給の目標設定を掲げた。

一方、ミクロアプローチでは都市鉱山などからの資源回収、再資源化の強化について、「短期的対応」として静脈企業の技術実証やヤード規制導入などを挙げた。ヤード規制は、今国会での廃棄物処理法等の改正による不適正スクラップヤード対策の導入が予定されている。「中長期的対応」としては、鉄スクラップや永久磁石の高度リサイクルに必要な設備導入への支援、不適正スクラップヤード対策や輸出確認の厳格運用などだ。

再資源化拠点の構築

②の「再資源化拠点構築・ネットワーク形成」では、投資促進のための経済的支援スキーム(予算面、金融面等)を制度的措置を含め講じることを提言した。

わが国の資源循環産業は、地域ごとに小規模分散化しており、高度リサイクルへの投資も進んでいない。そのため再生材の供給において、製造業と長期・大口契約を結べるような、競争力のあるリサイクラーが少なく、製造業が使いこなせる、質・量・コストを満たした再生材を供給できる事業者が育っていないのが現状だ。このため経済合理性により、リサイクルよりも海外へ流出、焼却・埋め立てされるケースもあるという。

こうした課題に対応するため、経済的支援スキームを設け、(イ)前処理・保管(備蓄機能含む)・再資源化・精錬等の拠点整備・ネットワーク形成、(ロ)資源循環産業の振興(事業規模拡大、高度リサイクルの事業性確保など)、(ハ)今国会に提出された太陽光パネルリサイクル推進法案にあわせて、リチウムイオン電池の再資源化、高品質再生プラスチック製造のための高度選別施設の整備――などを支援する。

重要鉱物、金属資源などの再生材確保に向け30年まで官民で目指すべき投資額の提示も求めた。

再生材の需要拡大

③の「動静脈連携の促進による産業競争力強化」では、昨年11月に施行された再資源化事業等高度化法に基づき、製造事業者等(動脈)へのさまざまな再生材の供給や高度な再資源化事業を検討する事業者への技術的・財政的な支援を通じ、先進事例となる事業の早期認定を皮切りに、3年で100件以上の事業認定を目指すことを求めた。そのほか、(イ)今年4月に施行された改正資源有効利用促進法に基づく再生材利用計画の策定、環境配慮設計の認定推進、(ハ)使用済み物品(鉄スクラップ、永久磁石等)の回収・選別、再資源化、利用に係る実証、(ニ)容器包装リサイクル制度での動静脈連携による高品質プラ製品製造に係る推進枠などの創設――を提言した。

④の「循環資源の海外流出の抑制」では、今国会に提出された廃棄物処理法等改正案に基づく、不適正スクラップヤード対策や、環境汚染の恐れのある使用済み物品の輸出確認制度と国内再生原則を厳格に運用し、金属資源を含む雑品スクラップの国内資源循環を推進する制度の創設を求めた。

環境対策にコストをかけずに高値で資源を買い集め、公正な競争環境を阻害している不適正スクラップヤードから資源が海外に流出していることなどに対応する。

⑤の「再生材の需要拡大」では、製品製造に当たっての段階的な再生材利用の数値義務化とインセンティブ創出などを求めた。国が自ら率先して環境物品等の計画的調達を推進し、これを呼び水として地方公共団体や民間部門を含む需要を拡大するため、30年度までにグリーン購入法基本方針に位置付けられる全ての特定調達品目に原則として、再生材利用率の数値義務化を提言した。

日本をハブにネットワーク

3本柱の自民党提言のうち「日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築」では、重要鉱物などの安定確保に向けてG7、日米、クアッド、ASEANなどの同志国の連携枠組みの深化を図り、具体的なプロジェクト形成を推進することを提言した。

重要鉱物等の金属資源を含む廃電子基板や廃蓄電池等(E‐Waste等)について、日本国内の精錬施設などでリサイクルすることで、日本をハブとした国際金属資源循環の構築に向け取り組むとした。インドネシア、タイなどASEAN5カ国にはバッテリーの回収・解体などに関する法令整備でも支援する。

「資源循環に係る主体間連携・情報開示の推進、社会的気運の醸成」では、27年3月から横浜で開催される「国際園芸博覧会」において、わが国のリサイクル技術や取り組みを実装するほか、循環経済に関する情報発信の場として活用するとした。

自民提言 再生資源サプライチェーン強靱化 日本をハブ、国際資源循環NW構築も_
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