環境・エネルギーの未来こじ開けた「無用の用」 京大・北川特別教授ら3氏にノーベル化学賞 MOF開発、逆境はねのけ核心貫く
スウェーデン王立科学アカデミーが8日に発表し、京都大学の北川進特別教授(74)ら3氏を選んだ今年のノーベル化学賞。3氏は、微小な穴(多孔質)を持ち内部に水素などのさまざまな気体を貯蔵したり、触媒として化学物質を分解するなどの働きを担える金属有機構造体(MOF)を開発した。環境分野でも幅広く応用が進んでいる。従来、不安定だったMOFに予測の可能性を与え、合理的に制御して拡張できる機能をもたらした。北川氏は開発で、MOFのガス吸着の可能性を実証し、構造の柔軟性(ダイナミクス)という新たな概念の確立に主導的な役割を果たした。未踏の研究に着手した1990年代、可能性に理解が得られず多数の研究資金が却下されたことも。座右の銘に取る中国・戦国時代の荘子の言葉「無用の用」は、無意味と思われているものに核心を見出す。逆境にも信念を貫き世界を変えた。

全文を読むには
有料プランへのご登録が必要です。
記事本文残り76%
続きは有料会員にお申し込み
いただいた後、
記事をお読みいただけます。
- 「有料会員」になると購入手続き不要ですべての記事を閲覧できます。
- 新聞購読者の方はお得な「プレミアム会員」も選べます。
- 初月無料で有料会員に登録できます。