寄稿◎家畜ふん・下水汚泥から良質堆肥を作る目的と原理と課題(その1) 京都大学名誉教授 松井 三郎

はじめに

世界農業は21世紀に入って大きな転換期を迎えている。地球温暖化による降水異常は農業に大きな打撃を与え始めた。人類が文明を築いてきたのは農業の発展によっている。20世紀文明は農業に品種改良・化学肥料・農耕機械等を提供し人口増加を助けてきたが、どうやらその限界が見えてきた。リン酸化学肥料等の供給限界、農薬使用による多様な植物・動物種の絶滅危惧等が、「有機農業」すなわち伝統的な農業への回帰を導いている。「いつか来た道帰る道」である。しかし「有機農業」が抱える難しさは、簡単な道ではない。

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