JS 災害時の支援体制強化へ 西原環境と協定締結

日本下水道事業団(JS)は14日、災害時に被災した下水道施設の早期復旧を支援するため、災害対策用の下水道機材を設計・製作した西原環境と協定を締結した。JSは災害対策用下水道機材を被災自治体に貸し付ける支援策の運用を4月から始めており、今回の協定はその取り組みの一環。西原環境と連携することで下水道機材の運搬・設置を迅速化し、自治体への支援体制を強化する。

JSは、下水道施設が被災した場合、災害支援協定に基づき、JSが保有する可搬式水処理装置と高揚程排水ポンプを自治体に貸し付ける支援策の運用を始めた。運用に当たっては、JSと西原環境が支援団体と連携し、機材の運搬、設置、撤去までの一連の作業を行う。機材のリース代金は無償だが、運搬から撤去までにかかる費用は有償で自治体に請求する仕組み。

支援に使われる可搬式水処理装置は、散気装置付きの水槽と担体、ブロワ、制御盤が一体となった移動式の装置。簡易な処理で一日に6千人分の汚水を処理でき、被災地へ運搬しやすいよう10トントラックで運べる大きさに分割できる仕様が特徴。高揚程排水ポンプと合わせて、現在は栃木県真岡市の技術開発実験センターに保管している。

災害時に被災自治体から要請があった場合、JSから西原環境に対し、災害対策用下水道機材の運搬・設置などを要請、これを受けて同社が工事に着手する。簡易な処理の場合、運転開始まで約3週間かかる。

JSの黒田憲司理事長は、「下水道は一日も欠かすことのできないインフラであり、被災した場合には一日も早く支援に駆けつけることが大事。その迅速さを確保するためにこの協定がある」と協定締結の意義を述べた。

これを受け西原環境の西原幸志社長は、「現在、被災地での供用開始までに3週間ほどかかるが、この期間をより短くすることが大切。そのために社内外の体制を構築するなどして、スピード感を持って災害時の支援に対応していきたい」と話した。

JS 災害時の支援体制強化へ 西原環境と協定締結_黒田理事長(左)と西原社長
黒田理事長(左)と西原社長