東風西風(2026年9月9日)
明日の9月10日は「下水道の日」。起源は1961年に遡る。当時、日本の下水道普及率は6%と著しく整備が遅れていた。普及のための啓発を図ろうと「全国下水道促進デー」を制定したのが始まり。その後、2001年により親しみやすい名称にと「下水道の日」へと改められた▼なぜ、この日なのか。下水道の大きな役割の一つである浸水対策が関わる。立春から数えて220日目にあたる9月10日前後は、台風シーズンの中でも特に警戒が必要な時期とされてきた。防災意識を高める狙いもあって、この日が選ばれた▼制定から60年余り。気候変動による豪雨の激甚化・頻発化は深刻さを増している。気象庁によると、直近10年間に1時間50ミリを超える豪雨の発生回数が、統計開始当初と比べて1・5倍以上に増えている。今夏の各地で起きている大雨災害は一過性のものではないだろう。雨の降り方そのものが変わりつつある▼普及率が課題だった下水道は、いま全く別の局面を迎えている。激甚化する災害への強靱化や老朽化への備え、そして支える人材の確保という、質と持続可能性が問われる時代に入った。「下水道の日」は、私たちが日々支えられている足元のインフラに思いを馳せ、その将来像を改めて見つめ直す機会としたい。(宜)