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全国30地点で生物リスク確認 タイヤ由来マイクロプラの実態調査 国環研ら

国立環境研究所と産業技術総合研究所、愛媛大学は8月22日、自動車のタイヤが摩耗するなどで飛散したマイクロプラスチックによる汚染状況を解明する日本各地の実態調査を発表した。

全国30地点で生物リスク確認 タイヤ由来マイクロプラの実態調査 国環研ら_

マイクロプラの環境中での移動と蓄積、特にその流出量と環境汚染への影響について実態を解明するため実施。調査した36地点中32地点でタイヤ由来マイクロプラスチックを検出した。30地点では生物への毒性がないとされる限界の濃度(予測無影響濃度)を超過し、生態系の健全性や生物多様性が損なわれるリスクが排除できないことを示唆した。

北海道から沖縄までの11都道府県で採取した堆積物試料を対象に、タイヤ由来マイクロプラの濃度分析を実施した。分析手法には熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置を使用した。

研究で濃度と生物への毒性、蓄積状況などについて考察。結果を活用し汚染の評価や対策の展望についても検討した。今後、タイヤ由来マイクロプラの毒性評価と、その環境への流出プロセスに関する研究を進める予定。研究は環境研究総合推進費の支援を受けて実施した。