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特集◎9月10日は「下水道の日」 「強靱で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて 国交省上下水道関係予算概算要求―2027年度―

重要管路の更新・複線化を支援 質の高い「水の官民連携」推進も

国土交通省がこのほどまとめた2027年度予算の概算要求では、「強靱で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて、(1)上下水道インフラの強靭化(2)持続可能な上下水道の実現に向けた基盤強化――を柱に据え、上下水道一体の施策を展開する。下水道については、下水道法の改正などを踏まえて、重要管路の更新・複線化への支援や維持管理情報の見える化を支援する予算を拡充する。あわせて基盤強化に向け、質の高い「水の官民連携」や人口減少に対応した再構築を推進する。

社会資本総合整備に関する交付金は、対前年度1・38倍の1兆8104億円(前年度当初予算1兆3126億円/事業費3兆7404億円)を要求した(表1参照)。このうち社会資本整備総合交付金は同1・48倍の6810億円(4596億円/1兆3940億円)、防災・安全交付金は同1・32倍の1兆1293億円(8529億円/2兆3463億円)となった。水道と下水道に係る費用はこの内数として配分される。

個別補助金となる交付金以外の水道施設整備費と下水道事業費等は、水道と下水道を合わせて対前年度比1・26倍の2025億円(1601億円/4041億円)を要求した(表1、2参照)。このうち上下水道一体での取り組みに同1・24倍の83億円(67億円/108億円)、水道に同1・20倍の245億円(204億円/651億円)、下水道に同1・28倍の1695億円(1329億円/3281億円)を充てる。

これらに加え、第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取り組み、労務費・資材価格高騰対策、戦略産業クラスター形成に資するインフラ整備――などに必要な経費は、予算編成過程で具体的な規模感が決まる「事項要求」としており、予算のさらなる積み上げが見込まれる。   

新規事項などは以下の通り。

《新規事項》

1.上下水道インフラの強靱化

(1)下水道の重要管路の更新・複線化支援(個別補助事業、交付金事業の拡充)

下水道法改正(2026年7月23日公布)により重要管路の点検基準の強化やリダンダンシー(冗長性)確保のための構造基準が強化されたことを踏まえ、大口径(管径2メートル以上)や緊急輸送道路などの下に埋設された「重要管路」の更新・複線化の支援対象を拡大する。現行制度では自治体の規模や管径によって補助対象外となる管路があるが、その制限を緩和する。

(2)維持管理情報の見える化(交付金事業の拡充)

改正下水道法により管路の維持管理情報の公表が義務化されることに対応するため、新たに創設される診断基準や、維持管理情報の統一基準に対応したシステム改修経費を支援対象に追加するとともに、26年度までの時限措置を延長する。

(3)下水道メンテナンスにおける先端技術導入への緊急支援(個別補助事業の創設)

水位が高い箇所や有毒ガスの危険があるなど人による点検が難しい箇所での安全性向上(管内NoEntry)に向けて、ドローンなどの先端技術導入経費を補助する事業を創設する。来年度概算要求にあたり創設された、要求額に上限を設けない特別枠「『強く豊かな日本』投資枠」から3億円を充てる。

(4)水道事業者の地震対応力等の強化(個別補助事業、交付金事業の拡充)

「上下水道耐震化計画」に基づく耐震化事業の補助要件を緩和する。ただし耐震化の取り組みが遅れている事業者に対しては、生活用水を含めた応急給水機能の確保に取り組むことを支援の要件にする。

可搬式浄水装置の導入については、都道府県と水資源機構に限定していた支援対象を市町村や一部事務組合などの地方公共団体に拡大するとともに、資本単価要件を緩和する。さらに水道事業者のリダンダンシー確保(連絡管整備など)の目的に渇水対策を追加する。

(5)資源・エネルギー安全保障やサイバーセキュリティの強化(個別補助事業の創設、交付金事業の拡充)

下水処理場等の省エネや、下水汚泥のエネルギー利用や肥料化などの取り組みを重点支援する。投資枠の100億円を活用する。また、水道事業者がサイバーセキュリティ対策のための実施する制御系システムの対策等を支援対象に追加する。

2.持続可能な上下水道の実現に向けた基盤強化

(1)質の高い「水の官民連携」の導入促進(個別補助事業、交付金事業の拡充)

コンセッションや広域型など質の高い官民連携案件の導入検討や、導入後の計画的な更新に必要なモニタリング経費への支援を拡充する。

27年度以降に汚水管を改築する際、官民連携の導入決定を交付要件とする方針については、小規模な単一市町村ごとの官民連携案件が乱立して事業の広域化が妨げられないよう、広域連携や国土強靱化と調和を図りながら制度設計を行う。

(2)人口減少に対応した上下水道インフラ再構築の推進(交付金事業の拡充等)

水道については複数事業者間で広域的な施設再編を行う際、従来の浄水場に限定せず、対象範囲を拡大し補助要件を緩和する。

下水道については、区域廃止に伴う下水道管路の撤去費用支援を拡充するとともに、新たな施設整備については、中長期的に整備効果が持続・向上する区域に限定する。

《革新的技術実証事業》

上下水道の重要な課題解決のために必要な新技術の開発を国が主体となって促進する「上下水道一体革新的技術実証事業」(AB‐Cross)。来年度は新規テーマとして、▽メンテナンスの高度化・メンテナビリティの向上につながる技術▽資源・エネルギー安全保障の強化、上下水道の基盤の強化などに資する高度な水処理・汚泥処理技術――の実証に取り組む。

《行政経費》

行政経費では、①上下水道科学研究費補助金1億2400万円(前年度当初予算6100万円)②上下水道分野の水ビジネス国際展開経費1億1500万円(同1億1200万円)③上下水道一体のウォーターPPP等の推進に向けた検討経費4200万円(同4200万円)④上下水道の災害対応力強化に関する検討経費2100万円(同2100万円)を要求した。

※図表は国土交通省資料より抜粋

特集◎9月10日は「下水道の日」 「強靱で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて 国交省上下水道関係予算概算要求―2027年度― 重要管路の更新・複線化を支援 質の高い「水の官民連携」推進も_表1 社会資本総合整備に関する交付金の規模・内訳(単位・百万円)
表1 社会資本総合整備に関する交付金の規模・内訳(単位・百万円)=クリックで拡大=
特集◎9月10日は「下水道の日」 「強靱で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて 国交省上下水道関係予算概算要求―2027年度― 重要管路の更新・複線化を支援 質の高い「水の官民連携」推進も_図 重要管路の更新・複線化等のイメージ
図 重要管路の更新・複線化等のイメージ=クリックで拡大=
特集◎9月10日は「下水道の日」 「強靱で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて 国交省上下水道関係予算概算要求―2027年度― 重要管路の更新・複線化を支援 質の高い「水の官民連携」推進も_表2 水道施設整備費・下水道事業費等(個別補助金)の規模・内訳(単位・百万円)
表2 水道施設整備費・下水道事業費等(個別補助金)の規模・内訳(単位・百万円)=クリックで拡大=

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