JA、県森連からJクレ購入 神奈川県で全国初

【ニッキンオンライン 2026年2月12日配信】
神奈川県森林組合連合会が創出するJ‐クレジットを、神奈川県信用農業協同組合連合会が購入し、カーボン・オフセットや金融商品の開発に活用する取り組みが始まる。神奈川県森連が管理する箱根町・湯河原町の森林約148ヘクタールからクレジットを生み出し、早ければ2026年11月にも販売を開始する。県域の森連と信農連が森林由来クレジットの取引で連携するのは全国で初めて。
神奈川県森連と神奈川県信農連、農林中央金庫、全国森林組合連合会は2月9日、連携協定を締結。神奈川県信農連はクレジットの購入を通じて、自組織の活動で排出される二酸化炭素(CO2)を相殺するほか、森林整備費用の調達に貢献する。
神奈川県は、水源林の保全を目的に07年から「かながわ水源環境保全・再生実行5カ年計画」を進めており、現在は4期目に入っている。今回の対象となる森林は県事業により管理の集約化が進み、森林経営計画に取り組むなど条件がそろっているため、初期費用が比較的安く抑えられるという。
対象エリアは企業4社が所有し、神奈川県森連が管理を受託。1~110年生のスギ・ヒノキ林が広がる。プロジェクトが終わる41年までに5394~8959トンのCO2吸収が見込まれる。
適切な森林管理が滞れば、水質悪化や土砂流出などを引き起こし、農業用水に大きな影響を与える恐れがある。神奈川県信農連は、クレジットの購入で資金を供給し、農業に必要な水の安定供給につなげたい考え。また、動物のすみかや餌場の提供にも寄与し、農作物の鳥獣被害低減も期待する。
農林中金の尾崎太郎専務執行役員は「林業に安定的に民間資金が流入し、持続的な森林管理の一助となることを期待している」と語った。