日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施

はじめに

日本産業廃棄物処理振興センター(以下、JWセンター)では、産業廃棄物の適正処理の推進と循環型社会の形成に向けて、各種事業を実施している。主事業である電子マニフェスト事業の普及の状況と普及促進の取り組み、教育研修事業の各種講習会・研修会の開催計画のほか、調査事業、感染性廃棄物容器評価事業、国際協力事業における取り組みを紹介する。

1.電子マニフェスト事業

電子マニフェストの普及状況と普及促進の取り組み

(1)電子マニフェストの加入者数および年間登録件数(表1)

2025年度の電子マニフェスト加入者数は、前年度比3万2781者(10・1%)増の35万6593者となった。また、電子マニフェスト年間登録件数は前年度比404万件(9・3%)増の約4751万件となり、順調に増加している。

(2)電子マニフェストの捕捉率(図1)

電子マニフェストの普及の状況を把握するための指標について、第五次循環型社会推進基本計画において採用された「産業廃棄物委託処理量に対する電子マニフェストの捕捉率」は、国で算出した年間の産業廃棄物処理委託量1億6千万トンを分母とし、電子マニフェストで把握する委託量を分子として算出している。25年度の電子マニフェストで把握する委託量は速報値で約1億684万3千トン、捕捉率は66・8%となる。

(3)電子マニフェストの普及促進の取り組み

26年度も引き続き、普及の促進並びにシステムの安定運用と利便性の向上を図るとともに、電子マニフェスト情報の有効活用に向けた取り組みを積極的に展開していく。

1)重点普及対象への普及および国・自治体・関係団体との連携による普及活動

第五次循環型社会推進基本計画において、捕捉率の目標が30年度に75%であることを踏まえ、産業廃棄物委託処理量に比して電子マニフェストの利用割合が比較的少ない建設業(がれき類)等への普及活動を実施する。

2)電子マニフェスト導入に向けた情報提供の充実

いつでもウェブ上で閲覧できる電子マニフェスト導入に向けた説明動画・資料の充実を図るとともに、国、地方公共団体、関係業界団体等と連携して電子マニフェスト操作体験セミナーを開催する。

3)加入者サポート

電子マニフェストを円滑に導入・利用していただくために電話やメールによるサポートを行うほか、よくあるご質問やホームページの情報を整理・充実させることで電子マニフェストへの加入方法や利用方法等の効率的な周知を図る。 

4)電子マニフェストシステムの安定的な運用管理

電子マニフェストシステムの安定した稼働を確保するとともに、外部からの不正アクセスの監視を強化し、引き続き、円滑かつ安定的な運営を維持する。

循環型社会の形成に向けた取り組み

(1)適正処理のさらなる向上および資源循環の促進を目的とし、廃棄物処理法施行規則の改正(25年4月公布、27年4月施行)により、処分業者は電子マニフェストによる最終処分の報告にあわせて、最終処分が終了するまで、または再生を行うまでの全ての処分について、「処分方法」「処分方法ごとの処分量」「処分後の産業廃棄物又は再生される物の種類及び量」等の報告が義務付けされることとなっている。

JWセンターでは、廃棄物処理法施行規則の改正に対応してシステムを改修し、新たに入力が義務付けられる項目について、任意に入力ができるシステムの提供を25年5月より開始している。また、対象となる加入者が円滑に利用できるように資料の整備、説明会の実施などにより情報提供を実施している(写真1)。さらに、JWセンターに蓄積される情報を循環型社会の形成に向けて活用していくための検討を進める。

2.教育研修事業

(1)講習会

JWセンターでは、オンラインでの講義動画視聴と会場試験を組み合わせたオンライン形式、会場で講義を受講し試験を受ける対面形式の2種類の形式で講習会を実施している(表2)。

講習会の受講の流れとしては次のとおりである(図2)。

オンライン形式では、申込後に届くテキストを用いて、受講者はインターネット上の「マイページ」で講義動画を視聴して受講する。その後、あらかじめ選択した会場で試験を受ける。講義の動画はいつでも視聴することができ、また、繰り返し視聴することも可能となっている。なお、試験を受けるには、全ての科目を事前に受講する必要がある。

対面形式では、会場で講義を受講し、講義終了後に試験を受ける。

なお、オンライン形式、対面形式とも合格すると修了証が交付される。不合格の場合は、再試験の案内が送付される。

(2)産業廃棄物マネジメント研修会

この研修会は産業廃棄物を排出される企業の実務担当者などを対象にした基礎講座であり、廃棄物処理法をはじめ、委託契約やマニフェスト運用などの産業廃棄物の適正管理についての基礎知識と実務のポイントを学ぶことを目的としている。

26年度は全業種を対象にした研修会を12回、業種(建設業)に特化した研修会を5回実施する。(詳細はJWセンターホームページを参照)

3.調査事業

(1)国内外の廃棄物情報の有効活用に関する先進事例を踏まえ、国、地方公共団体、事業者などにおける電子マニフェスト情報の有効活用方策やデータ分析ツールを利用した情報利活用の高度化を検討するための調査を実施している。

(2)廃棄物処理分野の将来を見据えて、廃プラスチック類や下水汚泥等の資源循環に関する調査、産業廃棄物処理業における脱炭素に向けた取組調査検討業務を実施している。

産業廃棄物処理業における脱炭素に向けた取組状況については、過去の調査事業において、産業廃棄物処理業者の脱炭素への意識が必ずしも高くないことが課題として挙げられた。そこで、25年度は、三重県、京都府において、産業廃棄物処理業者向けに脱炭素対策への意識を高めるための研修会を開催し、脱炭素に関する基礎知識の講義、温室効果ガス排出量の算定の演習、すでに脱炭素対策に取り組む企業による事例紹介を行った。

研修会の受講者に対して、受講後の意識の変化をアンケート調査したところ、「脱炭素対策を進めるヒントになった」(56%)、「脱炭素対策を加速する必要性を感じた」(38%)、「自社でできる脱炭素対策から取り組んでいきたい」(19%)との回答があり、研修会の受講が脱炭素対策を促すきっかけとなったことが伺える。(図3)

(3)国内外の産業廃棄物・リサイクルなどに関する情報を収集し、整理を行うとともに、その成果については、ホームページへの掲載や学会発表等を通じて広く情報提供を行っている。

4.感染性廃棄物容器評価事業

本事業は、JWセンターで定めた基準に則って感染性廃棄物容器の評価を行うことにより、医療機関などの排出事業者や感染性廃棄物処理業者に対して容器選定の判断資料等を提供し、適正な感染性廃棄物容器の普及促進を目的に実施している。

評価に合格した感染性廃棄物容器は、25年度末で、13社、48製品となっている。評価制度の詳細と合格した感染性廃棄物容器は、ホームページで紹介している。

5.国際協力事業

アジア地域における循環型社会の形成に向けて、政府の関係事業への協力等の事業を実施する。

日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施_写真 処分業者向け 電子マニフェスト項目追加説明会の様子
写真 処分業者向け 電子マニフェスト項目追加説明会の様子=クリックで拡大=
日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施_表1 電子マニフェストの加入者と年間登録件数
表1 電子マニフェストの加入者と年間登録件数=クリックで拡大=
日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施_図1 電子マニフェストで把握する委託量と捕捉率の推移
図1 電子マニフェストで把握する委託量と捕捉率の推移=クリックで拡大=
日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施_表2 講習会の種類と実施回数(2025年度)
表2 講習会の種類と実施回数(2025年度)=クリックで拡大=
日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施_図2 講習会の流れ
図2 講習会の流れ=クリックで拡大=
日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト加入者が35万6593者に 教育研修事業は例年どおり対面とオンラインで実施_図3 研修会受講者アンケート結果――受講後の意識の変化に関する設問(三重県、京都府)
図3 研修会受講者アンケート結果――受講後の意識の変化に関する設問(三重県、京都府)=クリックで拡大=

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