超短鎖PFASの健康基準厳格化 農薬から変化し甲状腺ホルモンに影響 欧機関
欧州食品安全庁(EFSA)は22日、有機フッ素化合物(PFAS)のうち「超短鎖」と位置付けられるトリフルオロ酢酸(TFA)に関する食生活中の消費者健康基準を改定し、許容一日摂取量(ADI)を体重1キログラム当たり0・014ミリグラムに引き下げた。旧ADIは同0・05ミリグラムで、約3・5倍数値上で厳しくなった。
TFAは、農薬などとして使われていたPFASが分解することで生成される。新たに急性基準線量(ARfD)を新設し同0・07ミリグラムとした。改定は甲状腺ホルモンの変化を示した新たな科学的証拠に基づいたもの。6月29日に変更内容を承認した。
欧州委員会とEU加盟国は消費者の保護を確保するため、この新基準を考慮して規制措置の協議に入る。並行して欧州化学機関(ECHA)のECHAリスク評価委員会(RAC)は、TFAとその塩(TFA Na)について、急性毒性(経口・吸入)と生殖毒性、持続的で移動性のある毒性を備えているとの分類を勧告しており、急性毒性推定値(ATE)は経口で体重1キログラム当たり500ミリグラム、吸入(蒸気)で1リットル当たり3ミリグラムとした。
PFAS系農薬がTFAへ分解し土壌や水中でどう振る舞うかについては、EFSAとECHAが共同で調査を進めており、来年夏までに結果を出す予定。
EFSAはTFAとその塩が遺伝毒性を有する可能性は低いと結論している。EUではすでに飲料水中のPFASレベルの監視が義務化され、食品中PFASを追跡する他の監視プログラムも稼働している。今回の改定はこうした監視体制の下でのリスク評価と整合させた。
EFSAは2024年8月から10月までデータを収集し、EU各国が保有する農薬由来TFAに関する評価データと、過去のEFSA評価、欧州化学機関(ECHA)の分類提案に使った研究、業界データなどを収集した。作業部会を設置しEU加盟国や学術界らと検討し、意見公募で177件のコメントを受けた。