サーキュラーエコノミー実現を目指して【第2部】~CLOMAの挑戦~(8) 味の素 島 淳人氏 CEの実現にはシステム変革が不可欠
味の素は2030年までに循環型社会を確立することを目指し、3つの柱を掲げている。1つ目は、プラスチック使用量の最小化だ。製品の安全性を損なわない範囲での必要最小限の使用量を目指している。2つ目は、使用するプラスチックは全て再生材またはリサイクル材にするということ。3つ目は、製品の生産、販売する商品を回収・分別・リサイクル、そして社会実装まで取り組んでいくということだ。ただ、こうした取り組みは1社では実現できない。さまざまな企業や自治体等と協力しながら、回収等の社会実装に貢献することを目指している。CLOMAはそうした目的に合致した団体であり、その活動方針に共鳴し、参加することを決めた。
――実際にCLOMAに参加しての効果は。
CLOMAという枠組みがあることの価値は極めて大きいと感じている。今回のマヨネーズボトルの回収プロジェクトもそうだが、通常であれば競合企業と協業する機会はほとんどなかったが、CLOMAという中立的な場を通じることで、より大きな社会的課題に対して共に取り組むことができるようになった。加えて、関連する技術や知見を持つ人たちとのネットワーク構築が実現した。CLOMAは単なる情報交換の場ではなく、社会システムの変革を志向した一つの重要なプラットフォームだ。
――KAWG2の今後の展開は。
現在進行中のマヨネーズと乳酸菌飲料のプロジェクトを着実に実現させていくとともに、新たな素材や製品の回収に取り組む企業を増やしていきたいと考えている。これからのCE時代では、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルを状況に応じてうまく使い分けていくことが重要になる。このため、それぞれの手法がどのような場面で有効なのかを整理していきたい。
――CEのあるべき姿についてどう考えるか。
CEはシステム全体を変革させるということだととらえている。社会インフラから根本的に変えないと実現できない。3Rは、個人や企業の自主的な活動が中心だった。リサイクルは「良い行為」とされ、それぞれができる範囲で実行してきた。しかし、CEには、きちんとした分別・回収・ソーティング・リサイクルのシステム構築が必須だ。消費者の行動から企業の投資まで、社会全体でその価値を認め、支える仕組みが必要だ。CLOMAというプラットフォームを通じて、産業界が一致団結してこの課題に取り組む。その姿勢が今、最も求められていると思う。一企業の努力では成し遂げられない大きな目標に向かって、複数の企業が協力して自治体と連携し、消費者の理解を得る。このプロセスそのものが、CEへの転換を意味しているのではないだろうか。(聞き手・黒岩修)