尼崎市、災害時用携帯トイレを市内全24万戸に無料配布

兵庫県尼崎市は、災害時に役立つ携帯トイレを市内全24戸に対して無料配布する。災害への備えを啓発するためのもので、こうした取り組みは中核市として全国初。

同市は10年ごとに策定している下水道計画ビジョンの中で、豪雨や地震等による自然災害が規模も頻度も増加傾向にあることを踏まえ、防災と合わせて減災を考える時代になっているとして、管路等の耐震補強工事のほか指定避難場所へのマンホールトイレの設置などを進めている。市が減災への取り組みを進めると同時に、市民にも災害に備える意識を持って欲しいとの意図がある。

今回の携帯トイレは、上下水道部が年4回発行する広報紙「ウォーターニュースあまがさき」に同封して9月22日から順次配布されている。同広報紙には「大規模な災害発生時にトイレが満足に使えないと、水分摂取や食事を控えたり、排せつ自体を我慢したりすることで体調を崩すおそれがあるため、心身の健康のためにも水を流さずに使える携帯トイレの備蓄が重要」だと記し、各家庭に3日分の備蓄を促している。

担当者は「各家庭に一つなので、備蓄としては全く足りないが、実物を手にして実感を持って災害に備える意識を高めてもらいたい」と話している。

携帯トイレとウォーターニュース(配布イメージ写真)
携帯トイレとウォーターニュース(配布イメージ写真)