西村環境相 ウクライナと覚書 戦災廃棄物処理、JCM念頭に

西村明宏環境相は14日、開催中だったCOP27の機会をとらえ、ウクライナのルスラン・ストリレツ環境保全・天然資源相と「日・ウクライナ間の環境保全分野における協力に関する覚書」に署名した。覚書は具体的な協力事項に触れていないが関係者によると、ウクライナ側は「ロシア軍との戦闘で発生した廃棄物処理の分野で日本の協力を得たい」考えだ。西村氏は快諾したという。

ウクライナでは、侵略してきたロシア軍の兵器の残骸などから出た化学物質や重金属類が土壌や河川を汚染している。ストリレツ氏は「日本と協力して、廃棄物処理システムを構築したい」と語ったという。一方で電力の約2割を占める太陽光発電などの再生可能エネルギー施設の多くが破壊された。ストリレツ氏は、日本との間で「2国間クレジット制度(JCM)」を構築し、再エネ施設の再建を図りたい考えだ。西村環境相は22日の記者会見で「積極的に応じていく」と述べた。なお日本政府は9月、ロシアとの脅威にさらされる周辺のアゼルバイジャン、モルドバ、ジョージアの3カ国とJCM覚書に署名している。