長野県豊丘村・共進エネルギーサービス　ガラスわけーるⅢ型システム導入　太陽光パネルリサイクル施設での受け入れ開始

2025/10/15 掲載

共進電気と共同で設置から廃棄まで一貫サービス

親会社共進電気の概要

長野県飯田市の共進電気は１９９０年に設立され市周辺で電気工事を主な事業としている。同社は環境配慮を目的として太陽光発電事業を２０１３年より開始し設備の設計、施工、設置を行っている。自社の発電施設が22カ所あり、発電容量約５メガワット、社屋上にもパネルを設置している。設置場所は農家が耕作放棄した畑の有効利用が多い。さらに非常用発電設置と石油備蓄を行っていた防災拠点では石油の劣化問題があり、太陽光発電と蓄電設備に変更する需要が増加している。飯田市周辺は高山に囲まれた盆地なので台風の突風被害が余り起こらず、天竜川の段丘が深いので洪水も拡大せず、太陽光発電事業適地である。現在地元で太陽光発電事業を大きく行っている企業はなく、他の地域の企業が参入している。

共進エネルギーサービス設立経緯

木下進社長は「太陽光発電事業を目的として、設立した会社です。創業当初より太陽光発電事業終了後に不要になったパネルや故障および災害等で破棄しなければならないパネルのリサイクルについて考えてきました。今後将来的に見込まれる大量廃棄に備えるためにリサイクル施設の導入を決心しました」と設立経緯を語っている。

共進電気が太陽光パネル事業に参入した２０１３年に、パネル廃棄時に責任持って自社グループにて処分するため、共進エネルギーサービスを設立した。太陽光発電の撤去、太陽光パネルの収集運搬、太陽光パネル破砕およびリユースを主な事業としており、現在社員数は６人である。飯田市近隣の豊丘村河野に拠点を建設、共進電気と共同事業で保守点検とリサイクルを行い、全て一貫して事業を行っている。同社は産廃の収集運搬免許を取得し、リサイクル処理の許可も今年３月14日に下りた。太陽光パネルの破砕、リユースの事業を４月からスタートした。

営業地域は長野県、山梨県、岐阜県を中心とした関東甲信越だ。

処理装置にガラスわけーるⅢ型を選んだ理由

社長は、「他社との導入の話が破談となり、他にもっといい機械を作っている業者がいないか探し、環境保全サービスのガラスわけーるⅢ型を選択しました。導入するに至った理由は機械が全自動で処理能力が優れているところ、また廃ガラスリサイクル協同組合も作られており、いろいろな情報交換ができることに魅力を感じました。また、ガラス等の処分が確実に決まっているところも良いと感じました」と選択理由を語った。

処理施設運転の現状

ガラスわけーるⅢ型の処理能力は１分間にパネル１枚だが、現在習熟運転中で、落雷で割れて使えなくなった自社のパネルを処理している。操作は現在４人、将来の要員は５人くらいを考えており、事業拡大に伴い社員を募集している。職員に聞くと処理の安全性と運転の容易さが魅力で、故障もないそうだ。

発生物の引き取り先

ガラスの引き取りは廃ガラスリサイクル事業協同組合にお願いしている。電線、枠等は地元の業者に買い取ってもらう。貴金属は業者に有価償却する。

施設で使用する電力

ガラスわけーるⅢの機械を設置した処理施設は１５０キロワットの太陽光発電システムで現在フル売電をしている。買い取り制度終了と同時に１５０キロワットの発電についてはガラスわけーるⅢシステムの電力として使う予定だ。カーボンニュートラルを目指して導入した太陽光発電なので、パネルのリサイクルには、機械が電動で省エネ処理のガラスわけーるⅢ型システムが適している。