清本鉄工とオカドラ、資本・技術提携 乾燥技術の承継と進化に向けて

清本鉄工(宮崎県延岡市、清本邦夫社長)と縦型蒸気加熱乾燥機などを製造するオカドラ(神奈川県横浜市、金井正夫社長)は22日、資本・技術提携を発表した。清本鉄工はオカドラに出資し、工場や下水処理場から排出された汚泥や生ごみ、廃液などを資源化・減容化するオカドラの主力製品「オカドラ・サイクロンドライヤー」などの技術や特許を承継し、同社の強みを最大限に生かしてオカドラの技術と企業ブランド価値の進化と発展を図っていく。 

 同日の会見でオカドラの金井社長は、「コロナが一段落して以降、当社のリソースを超える引き合いがあり、全国380カ所超に導入済の製品メンテナンス業務にも影響が出かねない状況となってきたことから、当社の技術を承継し、発展可能な提携先を模索してきた」と経緯を説明した。

 清本鉄工の清本社長は、「オカドラの乾燥技術は、世界に誇るべき随一の技術だ。今後はオカドラの技術を学び、当社のリソースを最大限に生かして段階的に協業の幅を広げていきたい」と抱負を語った。

 今後オカドラは、清本鉄工が持つ営業面などのリソースを活用してシナジーを創出し、乾燥技術のさらなる進化と販路の拡大を図り、数年後には売上高20億円を目指す。

 清本鉄工は、次年度以降に技術系の社員がオカドラに出向して乾燥技術を学び、営業面も視野に入れた総合的な提携を進め、将来的には同社の収益の柱となる事業への発展を目指していく。

オカドラの金井社長(左)、清本鉄工の清本社長(右)

*オカドラ(横浜市)は1968年に創業し、全ての有機物をボイル乾燥するタテ型蒸気間接加熱乾燥機「オカドラ・サイクロンドライヤー」や超コンパクト型フィッシュミール製造機「魚粉機」などを展開。現在、乾燥技術を応用した炭化油化技術を結集し、廃プラの油化に取り組んでいる。

*清本鉄工(延岡市)は1937年に創業し、プラントなどの建設・メンテナンス事業、鋳・鉄鋼事業、製菓や食品機会などの産業機械事業、素材・リサイクル事業、水処理事業などを手掛ける。23年3月期の売上高は清本鉄工で182億円、キヨモトグループとして11社(国内7社、国外4社)で483億円。