安藤ハザマ 水銀の微生物浄化技術でバイオレメ指針適合取得

安藤ハザマはこのほど、酸性鉱山排水の中和や重金属の除去に利用されている鉄酸化細菌(アシディチオバチラス フェロオキシダンスMON‐1株)を利用した水銀汚染‐土壌・地下水浄化技術を開発した。国のバイオレメディエーション利用指針の適合確認も受け、重金属類の浄化技術として国内初の事例となった。

この技術は水銀耐性鉄酸化細菌を見出した岡山大学の研究成果を基に浄化技術を開発し、同大学と共に水銀汚染土壌・地下水浄化への実用化に取り組んだもの。

水銀汚染土壌の対策では従来、600~800℃に加熱し金属水銀として回収する方法が採用されるが、開発した技術はMON‐1株の高濃度の水銀汚染環境で生存可能である等の特性を生かし、水銀イオンをガス状の金属水銀に還元して分離除去する。常温で適用できるため、省エネルギーで低コストの浄化が可能。

同社では、「バイオレメディエーション適合確認」の取得により技術の安全性が認められたとし、実際の汚染サイトでの水銀汚染土壌・地下水の浄化に適用するために、実用化に向けたさらなる技術改良を行うとともに、国内のみならず海外への普及にも取り組んでいくとしている。