水ingエンジニアリング バイオマス展会場セミナーでメタン発酵技術発表

8月31日から9月2日まで、千葉市の幕張メッセで「第2回スマートエネルギーWeek秋」が開催された。その中の「バイオマス展」では、木質バイオマス、バイオガスなどのエネルギー利用の展示がなされるとともに、「中小型バイオマス発電利用導入セミナー」が会場内で開催された。1日には水ingグループの水ingエンジニアリングによる、「水ingのメタン発酵技術の紹介」として、同社の下水処理場と食品廃棄物処理業者に導入した2例が紹介された。

下水処理場の例は富山県黒部市の黒部浄化センターに導入した、PFI事業による下水、農業集落排水などの汚泥と飲料メーカーからのコーヒー粕から発生するバイオガスを燃料に、出力95キロワットのマイクロガスタービンコージェネで発電する設備で、熱は足湯等に利用し電力は場内利用している。2011年竣工し、建設費は16億円。2026年までの維持管理運営を行ない、費用は20億円を想定している。安定して稼働しているが、発熱量が多いコーヒー粕の受け入れ量が17年度より減少したため、バイオマス発生量が減少し、昨年は約82万ノルマル立方メートルだった。自治体は汚泥処分から解放され、エネルギーの地産地消が図れる。民間事業者も長期安定した経営と雇用が実現する利点がある。

産業廃棄物処理業者の導入例は愛知県大府市のオオブユニティ横根バイオガス発電施設で、2018年より発電している。処理量は1日当たり70トン、発電量は1万4千キロワット時。発電量を高めるため、バイオガスエンジンを導入し、蒸気回収も行い、総合効率は72%に達する。自動選別により不適物の排除が可能で、多種多様な食品廃棄物の受け入れが可能となっている。水ingは薬液洗浄や活性炭による脱臭設備や、膜分離式高負荷脱窒処理による下水道への水放流も施工し、周辺環境へも配慮している。