東風西風

早いもので2024年も残すところ1カ月余りとなった。昨年ごろから資源循環、廃棄物処理分野では、国が「循環経済(サーキュラーエコノミー、CE)」を打ち出して各省庁が一体となって取り組む方向を示していたが、今年はそれを具体化するための2つの施策が成立した▼一つは8月に閣議決定された「第五次循環型社会形成推進基本計画」。同計画のサブタイトルは「循環型社会を国家戦略に」だ。循環基本計画に、循環経済を国家戦略にすることが明確に盛り込まれたインパクトは大きい▼もう一つは5月に公布され、来年度の施行が予定される「再資源化事業等高度化法」。目玉となるのは、先進的な再資源化事業等の高度化の取り組みを環境大臣が認定する制度の創設だ。従来の規制中心の廃棄物処理法とは一線を画し、先進的な静脈産業を育成し、動静脈連携を加速させることを主眼に置いた法律となっている▼その認定基準について議論する「再資源化事業等の高度化に関する認定基準検討ワーキンググループ」初会合が今月25日に開かれ、いよいよ制度の具体的な姿が明らかになってきた。今年はCE実現に向けたスタートの年であり、来年はそれを国、産業界等が一体となって実行に移していく年となりそうだ。(心)