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東風西風 とうふうせいふう

「水行政の歴史的転換点を迎える重要な節目の年」。国土交通省の松原誠下水道部長は本紙の2024年新年号インタビューでこう述べた。水質に関する業務を除いた水道行政の大部分が厚生労働省から国交省に移管され、4月から上下水道一体の行政が本格的に始動する。これに伴い水管理・国土保全局に置かれている下水道部は廃止され、局長級の上下水道審議官をトップとする3課1官のグループに再編される▼上下水道一体化による効果が期待されるものの一つに災害対策がある。図らずも能登半島地震は、水道と下水道の関係者が連携して復旧支援にあたった最初の事例となった。この地震を受け、復興に向けた上下水道整備の方向性や一体での災害対応などについて議論する委員会も立ち上がった▼管理・更新一体マネジメントを含めた新たな官民連携方式・ウォーターPPPにも弾みがつくとみられる。国交省は24年度予算案に「上下水道一体効率化・基盤強化推進事業」の創設を盛り込み、ウォーターPPPの導入を加速化する方針を示した▼上下水道一体化が人口減少や施設の老朽化、激甚化・頻発化する自然災害など共通する課題への対応はもちろんのこと、水や資源の循環を総合的に推進する施策の転換点となることを期待したい。(宜)