東風西風(2026年6月24日)

物価高や人件費上昇が続く中、廃棄物処理業における価格転嫁の遅れが改めて問題となっている。燃料費や電力費、設備維持費など処理コストが上昇する一方、委託料金への反映は十分とは言えない。循環型社会の基盤を担う静脈産業の持続性が問われている▼廃棄物処理は長年続いた価格競争の中で、適正処理に必要な費用が十分に評価されてこなかった面は否定できない。人材確保や老朽化した処理施設の更新にも影響が及べば、不適正処理のリスクにもつながりかねない▼こうした状況から、環境省は廃棄物処理業における取引適正化や価格転嫁に向けた取り組みを進めている。労務費の適切な転嫁を促す考え方を踏まえ、自治体や排出事業者に対しても適正な取引環境の構築を求める動きが広がっている▼排出事業者側にも、廃棄物処理費を環境負荷低減や資源循環を支える必要経費として捉える意識改革が求められる。再資源化事業等高度化法の施行などにより、廃棄物処理業者には資源循環の担い手として新たな役割も期待されている▼持続可能な循環型社会を実現するには、適正な処理を支える適正な価格形成が不可欠だ。価格転嫁は一企業の経営課題ではなく、社会全体で資源循環の基盤を守るための重要な政策課題である。(心)

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