東風西風 とうふうせいふう
2024年は元日に能登半島地震が発生し、辛いスタートとなってしまった。廃棄物・資源循環分野でも、今後大量に発生することが予想される災害廃棄物の処理を着実に進めていくことが大きな課題となる。この課題にしっかりと取り組んでいくことはもちろんだが、その上で今年資源循環業界が進むべきは「サーキュラーエコノミー」(CE)への方向転換だ▼昨年12月には経済産業省が環境省の協力を得て立ち上げたCEに関する産官学のパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」の立ち上げイベントが実施された。当初から自治体、企業、関係団体、大学など300を超える参加があり、動脈も静脈も一体となってCE実現に向けて踏み出す機運が高まっている▼CEは廃棄物を資源としてとらえ、循環させていく経済であり、静脈産業のノウハウが不可欠だ。これまではどうしても動脈産業に対し下に見られがちだった静脈産業が主役になるチャンスを迎えている▼しかし、その一方で、これまでのようにただ廃棄物を適正に処理するというだけでは選ばれなくなるという、危機的状況とも言える。動脈側からは、資源循環に対してこれまでにない本気度が感じられる。資源循環業界は大きな変化のうねりの中にある。(心)