東風西風 とうふうせいふう

現在放送中のテレビドラマ「不適切にもほどがある!」。1985年公開の「バック・トゥー・ザ・フューチャー」をオマージュしたタイムスリップものだ。主人公が86年と24年を行き来する中で昔は許容範囲だった奔放さを表現する一方、今の社会の窮屈さを示す場面も随所に出てきて、果たして「今の方が良いのか」「昔の方が良かったのか」と、視聴者に問いかけている▼廃棄物処理の世界は昔と今では変わった。これまで「埋めていたもの」「燃やしていたもの」がリサイクルされるようになったし、そのリサイクルも以前は大雑把に分けていたものをより細かく分別するようになった。まさしく「昔の常識は今の非常識」。廃棄物処理については迷うことなく今の方が良い。ただ、脱炭素やプラスチック資源循環などへの対応が急がれる中で、すぐに常識の域に移行できない企業が出てくることが予想される。これらの企業に「昔の方がよかった」と思わせないようにしなければならない▼SNSなどで現在の社会感覚に順応できる人が、できない人の言動を鬼の首を取ったように指摘している。中には重箱の隅をつつくような内容もあり、今の正義を振りかざすだけでは社会は萎縮していく。廃棄物処理業界はおおおらかに進んでもらいたい。(平)