東風西風とうふうせいふう

値上げのニュースを耳にしない日はない。中でも最大の関心事は電気料金の高騰だろう。「オール電化があだで10万円越え」「一人暮らしで3万円」「新電力で大失敗」など、ネット上には悲鳴が飛び交う▼それを受け止めつつ、恐る恐る自宅の電気料金通知票を見て、驚いた。何と、昨年の同時期より1割以上も安いのだ。電力会社や契約の変更はなし。恥ずかしながら、節電もしていないのに▼ただ思い当たるのは、リビングのエアコンと冷蔵庫を買い替えたこと。いずれも15年以上活躍してくれた家電で、酷暑の最中に故障したら大変だからと思い切った。「まだ使えるのにもったいなかったかな」と、当初は後悔もあったが、今となれば万々歳だ▼しかも、前年まではオイルヒーターと灯油ファンヒーターの併用でしのいでいたリビングの暖房を快適便利なエアコンにシフトしているので、灯油代も浮いている▼慎ましく倹約してきたつもりの行動が、単なるエネルギーの浪費だったというのは大ショックだが、この時期に省エネ家電の威力を強く実感できたことは誠に幸い▼家電の買い替えにはまとまった資金が必要だが、費用対効果が想定以上の場合もある。環境省のサイト「しんきゅうさん」では簡単に計算できるので、ご参考までに。(孝)