東風西風 とうふうせいふう
「再資源化事業高度化法」が22日の参院本会議で可決、成立した。同法では先進的な再資源化事業等の高度化の取り組みを環境大臣が認定する制度を創設し、廃棄物処理法の特例を措置することとしている▼国による最新の知見を踏まえた認定による制度的支援を通じて、先進的な事例を重点的に支援し、先進的な事業を全国的に波及させていく方針だ。資源循環、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルを実現する方策として環境省が打ち出した新法は、今後静脈産業に大きな影響を及ぼす可能性がある▼近年は株式を上場したり、持ち株会社等による経営統合を実施し業容拡大を進めるなど、廃棄物処理・資源循環業界でも急速に変革や再編が進んでいる。そうした規模を拡大し広域展開を図る資源循環業者にとっては、新法による認定制度は魅力的なものとなりそうだ。一方で、そうしたところと地域密着で事業展開する中堅・中小規模の業者との格差が一段と広がることを懸念する声もある▼また、どれだけ認定が進むか疑問視する向きもある。新たな制度なので開始当初は慎重にならざるを得ない面もあるだろうが、国がある程度思い切って認定していかなければ、せっかくできた新法も絵に描いた餅になりかねない。(心)