東風西風とうふうせいふう

気候ネットワークやFoEjapanなど環境NPO/NGO6団体は1日、「NZIAを脱退した大手3損保は中期目標を期限内に公表せず~早急に保険引受ポートフォリオ排出量の中期目標の設定を!」と題する共同声明を発表した▼NZIAとは保険業界で2050年までの温室効果ガス排出のネットゼロを目指す国連主導の国際イニシアチブ。大手3損保は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングスおよびMS&ADインシュアランスグループホールディングスの3社を指す▼声明によると、NZIAの加盟企業は今年7月末までに中間目標の設定と開示を求められていたが、保険業界の連携が保険料の上昇を招いているとする米国の保守派議員により、米国で今春、反ESG運動が加速。5月に米23州の司法長官らは、NZIAが独禁法に抵触する可能性があるとする文書を保険会社に送付した▼これを受け、NZIAの議長だったアクサやアリアンツを含む加盟企業が相次いで脱退。5月下旬には日本の大手3社も脱退したが、東京海上とMS&ADは脱退に際し発表したリリースで、今後も50年ネットゼロの実現に向けて取り組むとしており、SOMPOも含め、中間目標の設定と開示を早急に行うべきだろう。(工)