東風西風(2026年7月8日)
東京マラソン2026でのCO2排出量が算出・開示された。総排出量は約2万6600トン‐CO2で、約190万本の杉が1年間に吸収する量に相当する。主催者排出のスコープ1と使用電力のスコープ2は0・1%未満で、99・9%が参加者・観客の移動や飲食などスコープ3に起因する▼このデータをもとに削減アクションを開始し、2年後にカーボンニュートラル達成を目指すという。運営者は前向きだが、移動、購買、飲食、廃棄など、一人ひとりの意識や行動変容がものをいう、一番難しい部分だ。1、2年で成果を出せるのだろうか▼先ごろ発表された大手石油HDの中期経営計画を見ると、前回の中計で謳われた「グリーン電力推進」は大きくトーンダウン。AIや半導体などの成長市場が求める「電力の安定供給」にLNG火力発電ほか総合的な電力構成で応えるとしている▼トランプ政権の影響、電力需要の増加とエネルギー安全保障の重要性の高まりなどと状況は変化しており、企業の第一義である収益拡大のためには当然の方針シフトだろう▼大手企業が先導し、順調に削減が進んだ日本のGHGだが、この先は東京マラソンと同じ。一人ひとりの行動にかかってくる。脱炭素社会への移行が長期戦になることは間違いない。(孝)