東風西風とうふうせいふう

経団連は21日、「EUにおけるPFAS規制案へのコメント」を公表した。欧州化学物質庁が今年3月に公表した規制案のパブリックコンサルテーションにおける意見である▼それによると、規制案では、数千種類を超える「PFASs」(総PFAS)を一括して、製造、上市等を禁止する方向性が示されているが、個別の物質ごとに、人の健康または環境への影響について、科学的知見を根拠にリスクを評価したうえで、必要な規制を検討すべきだとしている▼また、エネルギーや半導体製造、生活用品等の幅広い用途で不可欠な素材として利用されてきた「PFASs」を一律に禁止した場合、経済・社会に重大な影響が生じかねないとして、一括の規制方法を採用すべきではないとしている▼一方、「総PFAS」については、WHOが今後、飲料水の水質ガイドライン値を設定すると見込まれている。このため、厚生労働省は水道水の要検討項目、環境省は公共用水域の要調査項目にそれぞれ追加することも念頭に対応していく方針だ▼化学物質の規制を巡っては、今回経団連が主張しているような議論が繰り返されてきた。「総PFAS」の健康影響については当面、対象物質を含め、WHOがどのようなガイドライン値を示すか注目されよう。(工)