東風西風とうふうせいふう

地下にあって目に見えない下水道。その存在を知らしめ、関心を引く窓口として一役買っているのがマンホール蓋。近年は、カラフルでその土地ゆかりのアニメキャラなどが描かれたデザイン蓋も登場。地域づくりの一翼を担うほどだ▼堺市は、このマンホール蓋を高齢者の健康づくりに活用した。市内3カ所のデザイン蓋を巡るウォーキングイベントを企画。3つあるコースの全ての参加者には、備蓄水と携帯トイレを組み合わせた防災グッズを贈った。加えて、健康習慣づくりに役立つスマートフォンアプリ「アスマイル」を使い、上下水道事業のスポットを巡るウォークラリーも開いた▼これらのイベントは上下水道局が提案し、健康福祉局と連携することで実現した。健康づくりをしながら下水道事業に興味をもってもらう新たなアプローチが評価され、このほど下水道広報プラットホーム(GKP)の広報大賞でグランプリを受賞した▼下水道の重要性をもっと知ってほしい。関係者共通の課題だが、一方的に発信しているだけでは伝わりにくい。イベントや他分野との連携を通したコミュニケーションの充実が理解促進の鍵となるだろう。堺市は今回、アスマイルの利用で「ゼロ予算」を実現したというから、この点も参考にしたい。(宜)