東風西風 とうふうせいふう
西村明宏環境相・内閣府特命担当相(原子力防災)は21日の衆院環境委員会で、審議に先立ち所信を表明した。その中で、東日本大震災や原発事故からの復興再生などとともに、環境省の大きな使命の一つである「時代の要請への対応」ついて述べた▼それによると、エネルギー危機や輸入資源価格の高騰、人口減少、少子高齢化に伴う地域経済衰退など、日本は数々の「社会課題」に直面していると指摘。これらに対し、炭素中立、循環経済、自然再興の同時達成に向けた取り組みを通じ、「将来にわたり質の高い生活をもたらす持続可能な新たな成長につなげていきたい」と強調した▼また、炭素中立型経済社会への移行に向けては、まずGX実行会議で議論されている成長志向型カーボンプライシング構想の「具体化」や最大限の活用を図っていくと強調。GX経済移行債と「仮称」される政府資金の将来財源などの検討を進め、速やかに結論を得ていくと意気込んだ▼さらに、既に存在する最先端の脱炭素技術の早期かつ大規模な需要創出に向け、脱炭素先行地域づくりや今月創設される予定の脱炭素化支援機構による資金供給などに取り組むほか、新たな「国民運動」を進めて行くとしており、今後の着実な施策展開が期待される。(工)