JR賞 準グランプリ・石井啓一特別顧問賞 こどもトリニティネット、ママコミュドットコム 新しい地域連携

【連携の経緯】

岐阜市・こどもトリニティネットと大阪市・ママコミュドットコムの2つの子育て支援団体同士が、これまでほとんど例がなかった民間団体の遠隔共助の災害連携協定を昨年結んだ。災害時に要配慮者になり得る、妊産婦および発達障害や疾病やアレルギーをもつ子供とその家庭などの「スペシャルニーズ」を支援するための「遠隔共助」の社会実装を目指す。被災時に避難生活になじめない要配慮者を守ることができる仕組みや協力体制を、岐阜・大阪間という同時被災の可能性が低い遠隔地間で構築することにより、互いの強みを生かした、迅速かつフレキシブルな支援を行うことが可能である。

災害時の情報通信や、避難所等の配慮や支援体制が迅速に整いづらい層への支援ネットワークを拡大する。活動する両団体は、すでに子育て当事者らとのネットワークを構築しているため、常に要配慮者になり得る層への課題と対応策を把握し、構築する仕組みへ反映が可能である。

【活動の紹介】

指定避難所以外の避難できる場所を確保する。平時は宿泊施設周辺の観光を行い、地方創成につなげる。有事は遠隔避難所として支援する。要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設し、空き家の有効活用も併せて、住宅セーフティーネット法の居住支援を通じた災害時のスペシャルニーズに対応する。

加えて、道の駅事業を行なう企業や大家のネットワークを広く持つ団体、行政なども連携体制があるため、継続し持続することができると考える。地域によって災害時における課題は異なるため、あらゆる地域で情報を共有しながらよりアップデートした災害対策を地域へ反映することができる。

【今後の展開】

住宅セーフティーネット制度を活用することで、空き家などの整備・活用や、地域の宿泊施設などの観光面での地域活性につながる。平時での地域課題の解決をしながら、有事にも活用できる仕組みであることから、スペシャルニーズをもつ者だけにメリットがある構図にはなりにくく、公共性も高いと考えられる。すでにあらゆる民間企業、団体を含む、全国の自治体の危機管理の担当者、保健師などと連携しながら社会実装に向けた活動を展開することができている。岐阜大阪間のみならず四国・九州地方など多くの地域からも問い合わせがある。

準グランプリ・石井啓一特別顧問賞 こどもトリニティネット、ママコミュドットコム  「遠隔共助」の社会実装に向けた新しい地域連携_