月刊下水道2024年11月号特集/下水道が日本の食を守る ―下水汚泥の肥料利用―
我々の身近で喫緊の課題として関心が高まる食・エネルギーの安定確保を図る術として、そして地球的課題である脱炭素化を図る術として、下水汚泥の利用に注目が集まっている。特に食の安全保障の観点から国は、肥料利用を最優先に下水汚泥の活用を図っていく方針を打ち出した。昨年末には法改正を行い、公定規格として「菌体りん酸肥料」を新たに制定した。これまでも「コンポスト」としてそれぞれの地域で活用されてきた下水汚泥だが、品質管理を徹底して「りん酸」を主成分と保証できるものについては化成肥料など他の肥料の原料として使用できることになり、その活用の幅がさらに広がった。下水汚泥の肥料利用について、国の施策や肥料化のポイント、自治体や企業の取り組みなど、その最新動向を紹介する。
【特集】
■ 国内肥料資源の利用拡大と汚泥肥料の果たす役割
■ 汚泥燃焼灰を肥料原料化した埼玉県の取組み
■ 固形燃料化物で全国初の肥料登録〈名古屋市〉
■ 滋賀県初の下水汚泥コンポスト事業と啓発活動
■ 福岡市における再生リンを活用した官民連携による循環の輪形成
■ 有機資源の循環につながる技術開発に向けて
■ 縦型密閉発酵槽による下水汚泥の肥料化技術
■ その他