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インドネシアで100%再資源化事業を本格展開へ アミタグループ

サリムグループ、インドセメント子会社と合弁会社設立を基本合意

アミタグループの海外事業統括会社であるAMITA CIRCULAR DESIGN SDN.BHD(ACD)は9日、インドネシアに拠点を置き、食品・小売り・自動車・不動産・インフラなど多岐にわたる事業を手掛ける東南アジア最大級の複合企業サリムグループ傘下で再生可能エネルギー事業や上水道事業などを行うタマリス・モヤグループのPT Tamaris Prima Energi(TPE)と、脱炭素・循環型の新事業創出に取り組む合弁会社「PT Amita Tamaris Lestari(JV1)」の設立に向けて基本条件に合意した。JV1は今月中の設立予定。

また、9月下旬を目途に、JV1はインドネシア大手セメント会社PT Indocement Tunggal Prakarasa Tbk.(インドセメント)の子会社PT Sari Bhakti Sejati(SBS)と、現地で100%再資源化事業を行う合弁会社「PT Ameta Prakarsa Hijau(JV2)」を設立することで基本条件に合意した。

JV2は、2027年中にインドネシア国内での循環資源製造所の開所および事業の本格始動を目指し、現地での許認可取得や製造所建設等を進めていく計画。並行して、サリムグループが有する広範なネットワークを活かした事業活動を企画、推進し、東南アジアにおける資源循環の加速を目指す。

ACDは17年にマレーシアで、セメント産業向けの代替原料・燃料を製造・供給する100%再資源化事業を開始した。現地製造所での発生品(廃棄物)の取り扱い量が年々拡大し、事業としても安定化する中で、次の海外市場としてインドネシアを検討していた。

同国は現在、世界第8位のCO₂排出国であり、2060年のカーボンニュートラル実現に向けて、30年までに32%の温室効果ガスを削減することを目標に掲げている。また、継続的な人口増加や経済発展が見込まれる同国では、今後もインフラ整備に不可欠なセメント需要も拡大する見込みで、カーボンニュートラル目標の達成に向けては、CO₂排出量が2番目に多い産業であるセメント製造業の脱炭素化が大きな課題となっている。

こうした状況を踏まえ、アミタグループは23年には同国で環境配慮型のビジネスに取り組むインドセメントと基本合意書を締結し、100%再資源化事業の市場調査や実現可能性調査を共同で実施してきた。調査・検討の結果、アミタグループが提供する100%再資源化事業は、同国における廃棄物処理やセメント製造に係るCO₂排出量の削減に寄与するものとして市場ニーズがあると判断し、事業展開を決断するに至った。

事業化にあたりインドセメントと資本関係にあるサリムグループと協議を行い、セメント産業向けの100%再資源化事業のみならず、アミタグループの技術・ノウハウとサリムグループのネットワークのシナジーに基づく、より包括的なサーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ分野における新事業開発を行うJV1を設立することで基本条件に合意した。

JV1・JV2共同で産業廃棄物・一般廃棄物・バイオマス資源由来のセメント産業向け代替原料・燃料を生産・供給する100%再資源化事業の開始準備を進める。具体的には、27年中のインドネシアでの製造所稼働を目指し、サリムグループや日系企業のネットワークを軸に、廃棄物排出企業への営業活動を行いながら、事業開始に必要な許認可手続きや工場建設を進めていく。

事業スキーム
インドネシアでの100%再資源化の事業スキーム