新サービス「ゼロ・ウェイスト・バッグ」を開始 テラサイクルが神戸市内で

テラサイクルジャパン(横浜市)は、新たなリサイクルサービス「ゼロ・ウェイスト・バッグ」を、7月から神戸市内で開始した。同サービスは、オフィスや店舗、施設等から出る廃棄物を簡単に少量からリサイクルすることができる新しいサービス。使用済みプラスチック製品や空き容器等を廃棄する際に、有料のリサイクル専用バッグ「ゼロ・ウェイスト・バッグ」を購入し、そのバッグに回収対象アイテムを収納して集荷を依頼、同社で回収したアイテムをリサイクルする。プラスチック廃棄物を削減し、消費財が環境に与える影響を最小限に抑える必要性への世界的な意識の高まりに応えるサービスとして、まずは神戸市で始め、全国に広げて行きたい考えだ。

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廃棄物を簡単に少量からリサイクルすることができる

廃棄物を少量からリサイクル、今後全国展開目指す

ゼロ・ ウェイスト・バッグは、専用のウェブサイトから注文が可能。「環境に良い活動をしたい」「ISO14001をはじめとする各種認証取得に向けオフィスでの廃棄物を削減したい」といった要望をもつ企業や団体のSDGsやESG、CSRの取り組みの一環として活用してもらう事業で、今回日本で初めて神戸市で開始した。同市内のゼロ・ウェイスト・バッグの収集運搬では、産業廃棄物収集運搬業のエヌ・アール・エス(同市)と提携している。

テラサイクルジャパンのエリック・カワバタ代表は、「温暖化という環境問題の危機は企業への責任を問う時代になっている。まずは、ゼロ・ウェイスト・バッグの法人向けサービスからスタートし、ヘアサロンやアパレル関連、宿泊業、一般企業のほか、学校・教育機関や、公共施設等でも利用してもらいたい。また、自治体および関連する企業と協力を深めて、今後全国にサービスを広げていきたい」と話す。

これまで同社は企業と連携して、回収拠点を設けて商品の使用済み容器などを回収し、リサイクルする取り組みを行ってきた。「回収拠点を設けての回収は行ってきたが、ビューティー系のヘアサロンやホテル、行政や企業のオフィスなどから出るオーラルケア、文房具、電源ケーブルなどは、ニーズがあってもなかなかリサイクルへのアクセスがなかった。もっと便利にリサイクルに回せるようにしたかった」ということで、同サービスの開始を決めた。まずはすでにリサイクルに関する実証を行った実績のある神戸市で始めて、成果を検証した上で他地域にも広げて行きたい考えだ。

同サービスは、バッグ1枚から購入可能で、通常価格は1枚3800円(縦60cm×横54cm)。複数のアイテムの集荷を依頼する場合、もしくは一つのアイテムの数量が多い場合は、セット割も行う。9月末までは初回特別購入半額キャンペーンも実施する。

回収リサイクル対象のアイテムは、オーラルケア、ハンガー、ビューティケア、ヘアケア、文房具、梱包資材、洗剤、電源ケーブルの8種類のカテゴリーから選べる。品目については、「兵庫県、神戸市、地元廃棄物処理業者等と相談して決めた。この8種類は同市内では大半が焼却等に回っており、リサイクルされていなかった。電源ケーブルについては、どう処理して良いかわからないという声が多いと聞いたので、品目に加えた」という。状況を見ながら品目の追加についても検討していく方針だ。

購入からリサイクルの流れは、まずゼロ・ウェイスト・バッグのホームページから回収リサイクル可能なアイテムを確認し、バッグを購入する。バッグは、発注から1週間以内に届けられる。届いたバッグにカテゴリーごとに、対象アイテムを収納して、袋に印字されている回収対象アイテムのカテゴリーにチェックマークを入れる。バッグ1個につき、回収カテゴリーは一つのみ選択が可能。

収納が終わったら専用フォームから集荷依頼を送信。同社の指定業者が集荷を行う。今回、ゼロ・ウェイスト・バッグを排出する際は利用する企業による産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付が必要になる。回収されたアイテムは、加工施設でカテゴリーごとにまとめて粉砕、洗浄、ペレット化され、新しい製品に生まれ変わる。

同社は今後、「オフィスの廃棄物を削減したいという企業、〝ゼロ・ウェイスト・サロン〟を目指すヘアサロンなど環境、リサイクルへの意識の高いところに導入を図っていく」考え。カワバタ氏は、「テラサイクルジャパンは23年9月の設立で、日本で事業を開始して10年を超えたが、当時と今では日本企業の環境や廃棄物に対する意識は大きく変わってきている。こうしたサービスの構想は以前からあったが、今広げて行く好機ととらえている」と期待を寄せている。

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ゼロ・ウェイスト・バッグの仕組み