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オンサイト処理施設の展望(11) 改正廃棄物処理法による災害廃棄物対策 隣接自治体との連携にとどまり広域処理の観点が不十分

4月10日に閣議決定され、同日国会に提出された廃棄物処理法の改正案のうち、災害廃棄物対策に関する条文について考えてみたい。

まず、第二条の三の表記が「非常災害廃棄物」に改められ、この言葉が法律用語となった。非常災害廃棄物と災害廃棄物の違いは、非常災害によって発生したかどうかである。しかし、非常災害の定義は、災害対策基本法にもない。非常災害に至らない特定災害や、激甚災害や特定非常災害といった区分もあるので、どこまでを非常災害廃棄物とするかは自治体次第という面もある。

第五条の六のニ第一項では、都道府県が非常災害廃棄物適正処理業者となる業者または業者団体と区域内の非常災害廃棄物の処理について協定を締結するよう努めるとされているが、すでに多くの都道府県が産業資源循環協会や産業廃棄物協会と協定しており、追認的規定である。ただし、条文上は一般廃棄物処理業者を明示しており、改正法を受けて一般廃棄物処理業者団体と追加的に協定することはありえる。

第六条の四では、市町村について同様の協定を締結するよう求めている。

第六条のニの第三項および第五項では、市町村から非常災害廃棄物の処理の委託を受けた者が再委託を、再委託を受けた者が再々委託をすることが認められている。

第九条の三の三では、非常災害廃棄物の処理をするための施設を許可ではなく届け出で設置する際に、環境影響調査の省略ができる場合を追加している。

第九条の三の四では、知事が一般廃棄物最終処分場、産業廃棄物最終処分場のうち一般廃棄物処理施設となるものの設置者を非常災害廃棄物最終処分場設置者として指定できるとし、定期検査が免除されるとしている。

第二十三条の二のニ第二項では、災害廃棄物に関する情報、技術的知識の提供、調査研究、技術開発を中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)に委託できるとしている。

JESCO法も改正予定となっており、第一条の会社の目的に非常災害廃棄物の処理に係る事業、情報および技術的知識の提供に係る事業が追加され、第七条の事業に自治体への人的派遣、情報および技術的知識の提供が追加された。

これらの改正法の内容のうち、目玉と言えるのは再々委託の容認、非常災害廃棄物最終処分場設置者の指定、JESCO法の改正である。

再々委託は、処理業者の親会社から子会社への委託など、広域処理がやりやすくなることが期待できる反面、委託が多段階になるため、処理が適正に行われ、処理費が適正に支払われたかなど、検査が難しくなることが懸念される。

非常災害廃棄物最終処分場設置者の定期検査免除は、意図が分からない。

JESCO法の改正は、昨年度の災害廃棄物対策推進検討会の議論を踏まえたもので、専門支援機能(機関)の設置、発注調整や工程管理に長けたゼネコンの起用など、さまざまな意見や提案があったはずだが、改正法は通り一遍の対策をJESCOに押し付けた形となっており、拙速の感を否めない。

災害廃棄物関連条文の全体を見回しても、都道府県、市町村の区域内対策や隣接自治体との連携にとどまり、広域処理の観点が抜け落ちている。

前回解説したヤード規制の導入についても同じだが、議論にいたずらに時間をかけずに第一条、第二条という法の根幹に触れる条文の改正にまで踏み込んだ意欲は評価できるとしても、十分に論点を煮詰めた改正案とは言い難く、むしろ廃棄物処理法をいびつなものにしてしまった感が強い。

災害廃棄物については、一般廃棄物、産業廃棄物、災害発生土を含む広義の用語として再定義した上、地域の連携やJESCOの支援能力強化程度でお茶を濁さず、広域災害に国内官民処理施設の総力を結集して備えるため、全国規模の広域処理の方向性を打ち出すべきだったのではないかと思われる。

 TOWALO代表 石渡正佳

オンサイト処理施設の展望(11) TOWALO代表 石渡正佳 改正廃棄物処理法による災害廃棄物対策 隣接自治体との連携にとどまり広域処理の観点が不十分_TOWALO代表 石渡 正佳
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