〔兵庫県立大学〕 国内初、ツキノワグマの食性を量的に解明 主食はドングリでなく「液果類」
兵庫県立大学大学院の研究グループは、兵庫県北部から京都府北部にかけて分布するツキノワグマ近畿北部西側個体群の食性を4年間にわたり調査し、暖温帯域の里山に生息するツキノワグマの秋季の主要採食物が液果類であることを国内で初めて定量的に明らかにした。
研究では288個の糞を収集し分析。その結果、春はモウソウチクの筍などの人為的食料、夏?秋はカキに依存し、秋はブナ科堅果(ドングリ)よりもアオハダやウラジロノキなどの液果類が主要採食物であることが判明した。また大量出没年にはクリを利用することも確認した。
ツキノワグマは2000年代以降、個体数増加と分布域拡大により人里周辺への出没が全国的に増加している。西日本では分布拡大が特に顕著で、03?17年の15年間で京都府1.3倍、兵庫県1.6倍、鳥取県2.4倍、岡山県2.8倍に拡大した。2025年には東北地方で236件の人身事故(うち死亡13件)が報告されている。
現在、秋季の出没予測は全国的にブナ科堅果の豊凶に基づいて行われているが、本研究により地域によっては液果類の豊凶が出没を左右する可能性が示された。今後は液果類の豊凶観測を取り入れた地域特異的な出没予測モデルの構築が期待される。

