エネルギーコンサルタント・越智文雄の「持論・時論・自論」+ 蛍光管製造禁止に関わる諸問題(5)
当社はこの自然冷媒を活用して、地球温暖化防止に取り組むオーストラリアのハイチル社総代理店・GAIAホールディング(本社・大阪市)と提携して活動している。業界団体である日本自然冷媒研究機構にも加盟し、まずは大手スーパーやドラッグストアチェーンなど電力消費量の多い企業に情報提供を始めている。
あるスーパーチェーンの創業オーナーは「どうしてそんなにすごい話がオレのところに入ってこないのか」と嘆いていた。それはそうだ、国が広めようとしていないのだから。関心を持つ人はとても多い。それほど電気料金の高騰が経営に重くのしかかっている。
全国ホテルチェーンが60カ所で平均38%削減
自然冷媒ガスに切り替えるだけで本当に電気料金は下がるのか、と疑問に持つ人もいるのではないか。私も最初は眉につばを付けたひとりである。GAIAホールディングは全国のスーパーホテル約60カ所で昨年3月から6月にかけて自然冷媒ガスに交換し、その結果平均38%の電気使用量を削減できたというデータがある。
また、半信半疑だった当社もJA旭川厚生病院でデモンストレーション実験を行ったところ、48%の電力削減の数値が示されて驚いた。全国のスーパーやホテル、ジム、道の駅、農業施設でも使われるようになり、全国で今年の猛暑対策として検討するところが増えている。
自治体では、この数年の猛暑で空調設備がボロボロになり設備交換を申請しても、予算がないと却下される例が多いと聞いている。特に古い施設では2020年のアスベスト規制の強化により、天井工事は至難となっていて工事費も増大している。この自然冷媒へのガス交換は屋外の室外機でのガスの入れ替えだけなので、室内設備周りに手を触れることは全くない。空調の効きが悪くなったことへの修繕発注であり、入札も必要ない。まずは一施設で実験してその結果に驚いていただきたい。(次回は、5月12日に配信予定)
*詳しくは「あかりみらい 自然冷媒」で検索を。