3Dプリンタでプロペラ製造 ポンプ場向け、納期3分の1に トリシマ 

酉島製作所(トリシマ)は22日、3Dプリンタを使い?属を重ねて形状を作る(金属積層、AM)技術で製作する「?体型プロペラ(羽根車)」の活用拡大を発表した。破損した兵庫県の河川排水ポンプ場に適用し従来約6カ月だった納期を3分の1の1・5~2カ月に短縮した。限られた非出水期内での確実な復旧に寄与した。

金属積層と5軸削り出しを1台でこなすハイブリッドAM機「Lasertec 65 3D」(DMG MORI)を導入した。3Dデータから直接?属粉末を溶融・積層することで木型を使い造形するなどのさまざまな前準備工程を削減し、最短2週間での製作を可能にして納期を大幅に短縮した。

従来は銅合金の羽根と鋳鉄のボス(羽根を取り付ける中央部)をボルトで組み立てていた構造を、高耐食ステンレス鋼により完全一体で造形した。弱点だった接合部とボルト穴をなくした。腐食で劣化した旧品インペラ(羽根車=プロペラ)を3Dスキャナーで精密計測し、過去の運転・性能記録と照合して取付確度を高精度に最適化したうえでデジタルモデルを作成し、現物合わせの精密再現を実現した。

AMインペラで連続運転の疲労評価試験を実施し、その後の非破壊検査の浸透探傷試験(PT)により力が加わる部分に亀裂が一切ないと信頼性を確認した。塩水環境での長時間浸漬による耐食性試験では、AM材が従来のステンレス鋳造材に比べ腐食質量減少率で数分の一と良好な結果を出した。

社会インフラ用ポンプの整備は雨が少ない非出水期に工期が限られるため、時間の短縮がそのまま復旧の確実性につながる。トリシマはハイブリッドAM機による金型を使わない造形でリードタイムを3分の1以下にし、AM機1台で製造できるようにし熟練技術者への依存脱却を進めた。

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