古都ならの資源循環―次世代に引き継げる持続可能な社会づくり― 奈良市の廃棄物処理の取り組み 奈良市環境部長 山口浩史

1.はじめに

「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」

万葉集に収められたこの和歌にあるように、奈良市は、710年に遷都により平城京がつくられ、「シルクロードの終着駅」と呼ばれ東西文化交流の中心地として「天平文化」が花開いた場所であり、東大寺には聖武天皇の発願により建立された廬舎那仏(大仏)が今なお当時の威容を示しつつ鎮座しておられます。これら奈良時代に建立された仏教寺院を中心とした奈良市内の8つの資産群が1998年に「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されており、国内外から多くの観光客が訪れております。また、これらの世界遺産を包み込むように奈良公園が形成されており、そこを訪れると世界遺産とともに神の使いとされてきた天然記念物である鹿たちがお出迎えをしてくれます。

古都ならの資源循環―次世代に引き継げる持続可能な社会づくり― 奈良市の廃棄物処理の取り組み 奈良市環境部長  山口浩史_ごみ搬入量の推移(1990~2024年度)
ごみ搬入量の推移(1990~2024年度)

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