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全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る

全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_

①6月22日 「全国アスベスト適正処理協議会」設立総会

■参加者:166名 会場:全国都道府県会館101大会議室

アスベストの暴露被害を増やさないため、関係団体や有識者の幅広い連携の下、調査、分析、コンサルから施工、収集運搬、処理、資機材等などに至るまで一貫したアスベストの適正処理の手順、ディファクトスタンダードの確立を目指し、73社の企業が参加して協議会が発足した。

②「アスベスト適正処理に係るガイドライン」を発刊

本ガイドラインは、事前調査から始まり、調査分析、除去作業、廃棄物処理に至る一連の法規制や処理方策等のマニュアルを分かりやすく整理してまとめたものであり、本件を所管する地方公共団体の担当者をはじめ、関係する企業および建物所有者の方々の必読書となり、好評を得た。

また、本ガイドラインについては、国土交通省住宅局建築指導課、厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課、環境省水大気局大気環境課の各担当官より、内容の確認および適切なアドバイスを得て作成された。

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③資産除去債務およびアスベストへの取り組みに関する実態調査を実施

資産除去債務会計の運用が開始され、アスベストなどの有害物質の除去費用も反映することがルール化されたが、わが国では前例のない新ルールであり、対応に苦慮する企業も多いと思われた。このような企業への正確な情報提供を行うとともに、新たなルールを着実に浸透させ、さらに改善に必要な政策のあり方などを検討する基礎資料とすることを目的とし、当協議会と環境新聞社と共同で、上場企業約1千社に対してアンケート調査を行い、60社回答(回収率6%)を得た。

結果は、環境新聞の1月12日号で発表された。結果の概要は、約8割の企業が資産除去債務の適用を開始しており、除去費用の試算に3分の1が苦慮していることなどが分かった。

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④東日本大震災・アスベスト対策事業現地調査を実施

2011年7月6~8日に岩手・宮城・福島の被災3県で現地調査を実施した。各県の担当部局を訪問してヒアリング調査を行ったほか、各県の被災地を訪問して被害状況、アスベストの飛散の危険性などの確認を行った。

現地視察の結果として、①外観ではひび割れ程度の被害でも内装・設備配管などはダメージを受けている場合がある②封じ込め処理は地震の際、振動接触等で欠落しているケースが確認された③被災した状況で適切な処理対策が取られずにそのまま利用しているケースがあったり、エレベーターシャフト内のアスベストが剥がれ、高濃度の含有空気が建物内を循環する危険性があると指摘した。

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全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_福島県庁生活環境部にてヒアリング
福島県庁生活環境部にてヒアリング
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_宮城県庁環境生活部にてヒアリング
宮城県庁環境生活部にてヒアリング
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_岩手県庁環境保全課にてヒアリング
岩手県庁環境保全課にてヒアリング
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_福島県相馬市沿岸部の様子
福島県相馬市沿岸部の様子
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_宮城県気仙沼市の被災建物内部
宮城県気仙沼市の被災建物内部

⑤「東日本大震災における教訓とアスベスト適正処理の提言」を発刊

これまでの震災同様に東日本大震災においても、建造物の倒壊や解体・復旧に伴いアスベストの飛散が問題になっていた。本書は、今回の震災で明らかになったアスベストの震災対策の現状と課題を洗いだすとともに、阪神・淡路大震災など過去の震災におけるアスベスト対策を踏まえ、日常時および非日常時(地震時)における飛散防止対策や適正処理の取り組みなどを提言した。非日常時の対策はもちろんのこと、日常時において災害の未然防止策と適正処理策を整備する必要を訴えた。

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⑥熊本震災・アスベスト対策事業現地調査を実施

2016年9月8、9日の両日、4月に発生した熊本地震の被災地で、地震による建物倒壊に起因するアスベスト飛散などの環境リスクについての現地調査を実施した。熊本県環境保全課にアスベスト対策についてのヒアリングを実施。建築物等解体工事によるアスベスト飛散防止対策に向けた関係機関の連携(熊本市を除く)について、全ての情報が保健所に集約されているとの説明があり、先進的な取り組みを実施していることが分かった。

また被害の大きかった益城町の状況や、解体が予定されている建築物でのアスベスト除去工事の現場を視察した。

全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_熊本県庁環境保全課にてヒアリング
熊本県庁環境保全課にてヒアリング
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_解体予定の建物のアスベスト除去工事現場
解体予定の建物のアスベスト除去工事現場

⑦西日本豪雨災害アスベスト処理実情調査を実施

2018年11月5、6日の両日、甚大な災害となった岡山県・広島県で現地調査を実施した。

広島県環境県民局環境保全課と岡山県環境文化部環境管理課を訪問、ヒアリングを行った。

岡山県ではクボタショックを踏まえて県内のアスベスト対策協議会を組織し、事務局を環境管理課が務め、今回もその仕組みを活用し対応しており、素晴らしい取り組みであることが分かった。

また被害の大きかった岡山県倉敷市真備町、広島県坂町・呉市の被災状況や災害廃棄物仮置き場を視察した。

全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_広島県環境県民局環境保課にてヒアリング
広島県環境県民局環境保課にてヒアリング
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_岡山県環境文化部環境管理課にてヒアリング
岡山県環境文化部環境管理課にてヒアリング
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_広島県坂町の仮置き場(スレート板等アスベスト含有のものは、フレコンバック等に入れて分別)
広島県坂町の仮置き場(スレート板等アスベスト含有のものは、フレコンバック等に入れて分別)
全国アスベスト適正処理協議会 16年の活動に終止符 主な出来事を振り返る_倉敷市真備町支所の様子
倉敷市真備町支所の様子